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EU離脱による食品製造業への影響を公表

(英国)

ロンドン発

2018年04月27日

英国下院内のビジネス・エネルギー産業戦略(BEIS)委員会は4月22日、英国のEU離脱(ブレグジット)がもたらす英国食品製造業への影響に関する報告書を発表した。同報告によると、英国の食品輸出先の上位10カ国のうち7カ国がEU域内の国であり、2017年のEUへの食品輸出額は全体の約6割に上っている。

同報告の中では、最大の貿易相手であるEUとの間でWTOルールに戻ることは、多大な影響を与えるため、(英国食品製造業にとっては)少なくとも短期的には許容しがたいという見解を示した。また、関税同盟からの離脱は、通関などの非関税障壁も生むことに触れ、とりわけ北アイルランドとアイルランドにサプライチェーンがまたがる中小企業への影響が深刻だとしている。

離脱後も食品の安全基準はEUの基準に

食品の安全基準についても、消費者の信頼を維持するため、ブレグジット後もEUの基準から離れるべきではなく、仮に異なる基準を設定した場合には中小企業にとって負担となるとの懸念を示した。また、政府が設定した移行期間は業界の要望よりも非常に短いとした上で、EUとのFTA締結を第一に優先すべきと提言しており、政府への早期交渉と将来の貿易関係の不透明性の解消を求めた。

英国の食品製造業では、高い技術を必要としない職業の割合が大きく、また欧州経済領域(EEA、注)からの労働者が全体の24.3%を占める。同報告では、ブレグジット後も短期的には食品製造業において必要なEUからの労働力の確保を引き続き可能にし、将来に向けては食品製造業を英国民にとって魅力的な業種にしなければならないとしている。

BEIS委員会のレイチェル・リーブス議長は「食品製造業は英国の最大の製造分野であり、288億ポンド(約4兆3,776億円、1ポンド=約152円)の経済貢献に加え、非常に多くの雇用をもたらしている」とした上で、高い食品の安全性や、さまざまな商品選択を消費者が享受しているとした。このような現状を、EU単一市場と関税同盟への参加がもたらした成功であるとし、その成功を今後も継続するために、英国政府はEUとの規制・基準・貿易における将来の関係について明示する必要があるとした。

(注)EU加盟国28カ国およびノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン。

(木下裕之)

(英国)

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