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産業界は政府の対EU姿勢を評価、移行期間には注文も-メイ首相の演説を受けコメント相次ぐ-

(英国、EU)

ロンドン発

2018年03月12日

テレーザ・メイ首相が3月2日に、将来のEUとの通商関係についての考え方を明らかにしたのを受けて、英国産業界は相次いでコメントを発表した。政府の方針が従来より明確になったことや、一部産業のEU機関残留の考えが示されたことなどを歓迎する一方で、移行期間についての一層の明確性などを求めている。

交渉スケジュールの明確化を求める

メイ首相が3月2日に示した将来のEUとの通商関係についての考え方(2018年3月5日記事参照)に対して、産業界からのコメントが相次いだ。

英国経営者協会(IoD)は「将来の英国とEUとの関係に関する交渉過程で難しい選択を迫られることを率直に認めたことを歓迎する」と、メイ首相が楽観的な交渉見通しを戒める姿勢を見せた点を評価している。また、国家による補助や競争政策などEUの競争環境の同等性に影響を与える要素について相互の縛りが必要との認識が示されたことに対し、「IoDとして長らく求めてきたもの」と、考えが反映されたものとした。その一方で、EUとの関税パートナーシップなど政府が追求するとした新たな通商枠組みが履行段階に至るのは先であり、産業界として時間をかけて対応していく必要があることから、「政府が今後のスケジュールの詳細を明らかにすることを切望する」としている。

英国製造事業者連盟(EEF)も、関税パートナーシップの提案とともに共通の基準・認証を維持する考え方が示されたことなどを「喜ばしい」とする一方で、大型投資の決断に迫られている事業者にとって時間が限られており、「移行期間の交渉で遅れがあってはならない」と警鐘を鳴らした。

化学・医薬・航空業界などは歓迎

メイ首相が、化学・医薬・航空などの分野ではEU機関の準メンバーとして残留するとの考えを示したことに対して、英国化学工業協会(CIA)は、「規制の同等性を要求するわれわれ業界としての要望を認めるもの」であり、化学物質の登録・評価・認可および制限に関する規則(REACH)の協議・検討などに英国が関与することは「EU側からも好意的に受け止められる」という見解を示した。

英国製薬工業協会(ABPI)は、メイ首相の欧州医薬品庁(EMA)へ準メンバーとして留まるという方針は、新薬開発などに向けた英国への投資が継続することを意味するもので、「英国とEU双方の患者にとって最良の結果」としつつ、滞りない医薬品供給の継続のために適当な移行期間を確保することの必要性などを訴えた。

英国航空産業連盟(Airline UK)は、欧州航空安全機関(EASA)への残留は「英国の航空産業にとって不可欠」で、メイ首相がこの考えに沿い交渉に望むことは喜ばしいとした。

このほか、EUとの相互の規制認証に係る新たな包括的な枠組み構築の必要性が示された金融や放送の分野では、金融関連サービスの業界団体ザ・シティUK、民間放送事業者からなる英国民間放送連盟(COBA)がメイ首相の考えを支持するコメントを発表している。

(五十嵐芳穂、佐藤央樹)

(英国、EU)

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