FRB、政策金利を3カ月ぶりに引き上げ-2018年の利上げ見通しは維持-

(米国)

ニューヨーク発

2018年03月23日

米連邦準備制度理事会(FRB)は3月20~21日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利であるフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を1.50~1.75%に引き上げた。上げ幅は0.25ポイント。利上げは2017年12月以来3カ月ぶり。

0.25ポイント引き上げ1.50~1.75%に

FRBは3月20~21日に開いたFOMCにおいて、フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を1.25~1.50%から1.50~1.75%に引き上げる決定をし、3月22日から実施すると発表した。利上げは2017年12月(0.25ポイント)以来3カ月ぶりで、2018年に入って初めて。決定は全会一致で、2月3日に就任したパウエル議長は今回が初の会合だった。

FOMCメンバーによるFFレートの見通し(15人の委員メンバーの中央値)について、2018年は2.125%と、12月会合時点から維持された。1回当たりの利上げ幅を0.25ポイントとして、年内には(今回を含めて)3回の利上げが想定されている。一方で、2019年は2.875%、2020年は3.375%と、いずれもわずかに上昇(2019年:0.188ポイント、2020年:0.313ポイント)し、利上げ回数の見通しも2019年は2回から3回へ、2020年は1回から2回へと、いずれも引き上げた。長期の見通しについても、2.750%から2.875%へ引き上げられた。

経済の現状判断を下方修正、先行きは拡大見込む

FOMCは声明で、米国経済全般の現状判断を「労働市場が引き続き力強さを増し、緩やかなペースで拡大を続けた」とし、「堅調なペース」から「緩やかなペース」へ下方修正した。一方で、先行きについては「金融政策のスタンスを段階的に調整することで、中期的には経済活動は緩やかに拡大する」とし、「中期的には」との文言を追加しつつ、「経済見通しはここ数カ月で強化されている」との一文を加えた。

同時に発表された2018年から2020年にかけての実質GDP成長率、失業率、物価上昇率の予想中央値は、2018年と2019年の経済成長率が0.2~0.3ポイント引き上げられた一方で、2018~2020年の失業率は0.1~0.4ポイント引き下げられた。物価上昇率は、2020年が0.1ポイント引き上げられた以外、変更はなかった。

(権田直)

(米国)

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