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大統領選は現職のエルナンデス氏が僅差の勝利-治安維持や貧困解決が政策課題に-

(ホンジュラス)

米州課

2017年12月07日

11月26日にホンジュラス大統領選挙が実施され、現職で中道右派のフアン・エルナンデス大統領が事実上再選された。再選を禁じる憲法の無効で臨んだ選挙で、最終的には国民の信任を得られたかたちとなったものの、薄氷の勝利だった。同国は中米地域においても殺人など凶悪犯罪が多く、治安維持や貧困解決が政策課題の中心となる。なお、本記事は12月4日時点の状況を報告するもので、現地報道では流動的との情報もある。

再選への道を開いた憲法裁の判決

11月26日に実施されたホンジュラスの大統領、ならびに国会議員、地方議員の選挙の結果が12月3日に公表され、与党・国民党(Partido Nacional)の現職であるエルナンデス大統領が、第三勢力である対抗連盟(Alianza de Oposicion)のサルバドル・ナスラジャ代表に、得票率の差1.6ポイントという僅差で勝利し、再選された。ホンジュラスでは4年に1度、大統領選挙と国会議員の総選挙が行われる。直接選挙で立候補者に投票し、決選投票はない。国会は一院制で定数が128、総選挙のたびに全議員が改選される。今回の総選挙では、与党が議席を伸ばし(52→61)、最大野党の自由主義党(Partido Liberal de Honduras)が議席を減らした(32→26)。

ホンジュラスの憲法第239条は大統領の再選を禁じていたが、2014年に大統領に就任したエルナンデス氏はすぐに憲法改正に取りかかった。約半年後の2015年4月、憲法裁判所は239条を無効とする判決を下し、エルナンデス大統領は長期政権に向けた最大の障壁を越えた。

大統領本選は三つどもえに

今回の大統領本選挙には9人が立候補したが、事実上は三つどもえだった。11月の本選の前哨戦として、最高選挙管理委員会(TSE)およびラテンアメリカ諸国選挙管理組織連合(UNIORE)の管理下で、2017年3月に大統領予備選挙が実施され、各政党が大統領本選への擁立者を決定した。予備選(投票率43.9%)での得票率は、中道右派の与党・国民党が54.2%、保守派の自由主義党が27.6%、二大政党制に挑む対抗連盟が18.1%となり、それぞれエルナンデス現大統領、ルイス・セラヤ党首、ナスラジャ代表が擁立された。

今回の本選の結果公表は、12月3日まで引き延ばされた。得票率はエルナンデス現大統領が42.98%、セラヤ党首が14.73%、ナスラジャ代表が41.38%となり、勝利した現職が政権を維持することになった。一方、国会議員選挙においては、与党が過半数を得ることはできなかったものの、勢力を維持することに成功したため、今後の議会運営も現状どおり混乱は起こらないとみられる。

政策運営面では治安維持と貧困解決がカギ

ホンジュラスは、殺人や傷害、強盗といった凶悪犯罪の発生率が非常に高い。国連薬物・犯罪事務所(UNODC)によると、2015年の人口10万人当たりの殺人事件発生件数において、ホンジュラスが中南米2位(63.7人)と報告されている。また、ホンジュラス国立自治大学暴力犯罪監視局によると、2017年1~4月の殺人事件は1,446件で、2016年通年では1万人当たり59.1人の殺人事件が発生している。こうした国内の凶悪犯罪の発生件数を減少させることは、大統領選の全候補者の選挙公約に含まれていた。

今回の大統領選においては、11月26日の投票日から1週間がたつまで、最高選挙管理委員会は正式結果を公表しなかった。これは、野党勢力が与党に不正があったと訴えたこともあるが、加えて、得票率が拮抗(きっこう)していた状態においてエルナンデス大統領とナスラジャ代表陣営それぞれが勝利宣言を行ったためだ。それぞれの支持者が首都テグシガルパ(国民党の勝利区)や第2都市サン・ペドロ・スーラ(対抗連盟の勝利区)で暴動やデモを起こし、この騒動により政府は12月1日に非常事態宣言を出すとともに、国民に対して10日間の夜間外出禁止とした。

治安の回復のためには、貧困率低下と、教育水準の引き上げがカギとなる。ちなみにホンジュラス国家統計院(INE)が2016年に実施した調査によると、人口の23.2%が比較的貧困層、42.5%が極度の貧困層に分類されており、識字率は89%、高等学校への進学率は31.7%だった。

(志賀大祐)

(ホンジュラス)

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