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インフラプロジェクトの情報検索が円滑に-外国投資の促進狙いウェブサイト構築-

(メキシコ)

米州課

2017年11月16日

政府はインフラプロジェクトの情報を効果的に検索できるウェブサイト「メキシコ・プロジェクト・ハブ」を構築した。11月9日時点で616件のプロジェクト情報のほか、プロジェクトに資金を提供する投資ビークルの情報も掲載している。eメールアドレスを登録すればアップデート情報が個別に届くなどの機能も備えており、メキシコでインフラビジネスを検討する企業には有益なサイトだ。政府は国立公共事業銀行(Banobras)を中心に同サイトを外国投資家に普及させ、外国資本のインフラ投資を促進する方針だ。

PPPの法的枠組みや契約書の中身を公開

ポータルサイト「メキシコ・プロジェクト・ハブ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」は、米州開発銀行(IDB)や国際金融公社(IFC)など国際機関の支援を受け、国立貿易銀行(Bancomext)が3月に立ち上げ、7月からはBanobrasが運営を引き継いだ。メキシコには政府調達プロジェクトを総合的に管理する「コンプラネット(Compranet)」と呼ばれるポータルサイトがあるが、膨大な政府調達案件が掲載されているために検索しにくく、使い慣れない外国企業などが必要な情報を適時入手することは困難だ。新たに構築されたウェブサイトはバイリンガルとなっており、全ての情報を英語とスペイン語で入手できる(外部リンク先がスペイン語の情報しか載せていないことはある)。

同サイトでは外国人投資家へのアピールのために、メキシコ経済の一般的な情報やビジネス環境、インフラの水準に関する情報〔世界経済フォーラム(WEF)が発表しているインフラ競争力指数・順位などの情報〕など、さまざまな統計データも掲載している。

また、インフラプロジェクトへの投資に関連する情報コーナー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますとして、国家開発計画(PND)や国家インフラ計画(PNI)、セクター別開発計画など国のインフラ政策に関する情報のほか、インフラ投資に関連する政府機関や一般的な入札プロセス、官民連携(PPP)プロジェクトに関する法的枠組み、開発銀行のスキームなどプロジェクトの資金調達に関する情報なども掲載している。

さらに、ナレッジハブ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと名付けられたコーナーでは、インフラプロジェクトに関連するさまざまな文書を掲載している。その中で注目されるのは、代表的な事業分野や契約形態における政府と民間企業の契約書を公開しているコーナー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますだ。同コーナーでは官報公示された各分野の個別コンセッション事業の契約書(国が事業権を付与する文書)や病院の建設・運営に関するPPP事業の契約書のひな型を公開している。PPPプロジェクトなどではしばしば政府と民間企業の間のリスク分担が問題となるが、高速道路や空港、旅客鉄道の運営コンセッション、病院建設と運営に関するPPPプロジェクトなど具体的な事業分野において、メキシコの民活型インフラプロジェクトのリスク分担を契約でどのように取り決めているか、同コーナーで確認することが可能だ。

600件を超すプロジェクト情報を掲載

プロジェクト・ハブ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと名付けられたコーナーでは、既に完成して運営が開始されている民活インフラプロジェクトと、運営が開始されていない新プロジェクトに分けてプロジェクトが掲載されている。11月9日時点で運営が開始されているプロジェクト193件、新プロジェクト423件、合計616件が掲載されている。

プロジェクトは輸送、電力、炭化水素資源、通信などセクター別の検索に加え、入札の段階や契約形態などに応じた検索も可能だ。新プロジェクト423件のうち、既に落札者が決まっており、建設工事など運営開始に向けた投資が開始されている案件が167件あり、まだ落札者が決まっていない243件のうち、入札プロセス中の案件は124件、入札の準備段階などの案件が119件となっている。

ポータルサイト「メキシコ・プロジェクト・ハブ」を日本で普及させようと11月上旬に来日したBanobrasのロベルト・カマレナIR担当マネジャーによると、既に落札者が決まっている案件や運営が開始されている案件まで掲載している理由としては、案件を落札した企業やインフラを運営している企業に後から出資などを持ち掛ける企業にとっては、既落札・運営プロジェクトの情報も有益だからだという。

落札者が決まっていない新プロジェクト243件のセクター別内訳は、炭化水素資源開発110件、電力72件、輸送30件、社会インフラ14件、水処理・環境12件、不動産開発・観光4件、通信1件となっている。

なお、プロジェクト・ハブのコーナーには、インフラプロジェクトの情報に加えてメキシコ証券取引所(BMV)に上場しているインフラ投資・不動産ファンドなどインフラプロジェクトに資金を提供する投資ビークルの情報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも掲載している。11月9日時点で21のインフラ投資ファンド、32の不動産投資ファンド、インフラ関連の企業に出資する23のファンド、インフラ投資に関連した金融資産に投資する5つのファンドが掲載されている。

入札段階や契約形態などでも検索可能

プロジェクトの検索は、セクター別に加え、入札の段階や契約形態などに応じた検索も可能だ。セクター別の検索は、大分類の中からさらに細かい分類(例えば、「輸送」セクターでは「空港」「高速道路・橋」「港湾」「鉄道」「都市交通」のサブセクターに分かれる)で検索できるほか、契約の範囲(設計、建設、運営、メンテナンス、設備更新など)や契約の種類(コンセッション、請負、PPP、サービス調達など)、入札プロセスの種類〔国際競争入札、自由貿易協定(FTA)締結国限定国際入札(注)、国内入札、指名競争入札など〕、プロジェクトが実施される州、調達対象となる資産の種類などによる検索も可能となっている。

案件の詳細データを示すページには、プロジェクトの詳しい地図情報があるほか、調達機関などへの外部リンクが張られており、入札が開始されている案件については担当者のeメールアドレスも記載されている。また、建設プロジェクトなどでは概念図や建設サイトの写真なども掲載されている。詳細データのページにはQRコードが設定されているため、QRコードを基にダイレクトに当該ページにアクセスすることもできる。

なお、案件詳細データのページにはフォローアップシステムが設定されており、eメールアドレスを登録しておくことで、当該プロジェクトに進捗があった場合は登録したアドレスにアラート通知が送られてくる。また、トップページにはアラート機能をカスタマイズする登録サイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますがあり、会社名、氏名、eメールアドレスなどの必要情報を入力し、関心分野を登録しておくと、関心分野のプロジェクト情報が追加されたりアップデートされたりした場合にアラートが届くシステムになっている。

BanobrasのカマレナIR担当マネジャーによると、現時点で案件登録されているのは連邦政府機関(国営企業を含む)のインフラプロジェクトだけだが、今後は州政府のプロジェクトも掲載していく予定で、スマートフォンによるサイト閲覧への対応も進めていくとのこと。政府としては、同ポータルサイトを外国企業に多く活用してもらうことで、メキシコのインフラプロジェクトへの外国投資を促進する方針だ。

(注)メキシコはWTOの政府調達協定に参加していないため、政府調達を外国企業や外国産品に開放する一般的な義務は負っていない。ただし、FTAなどで加盟国向けの政府調達の開放が定められている場合、各FTAの基準額以上の政府調達プロジェクトについては、FTA締結国に限定した国際入札が実施されることになる。対象をFTA締結国に限定しない方がより良い条件での調達が可能になると調達機関が判断する場合は、対象をFTA締結国に限定しない完全な国際入札が行われることになる。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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