対北朝鮮の商業用製品の貿易を全面停止

(シンガポール)

シンガポール発

2017年11月27日

シンガポール税関は11月14日、北朝鮮との商業用製品の貿易を11月8日以降、全面的に停止したと明らかにした。商業用製品以外の取引に関しても規制が強化されている。

違反した場合には厳しい罰則

シンガポール税関は11月14日、北朝鮮との全ての商業用製品の輸出入、積み替え、シンガポールを経由地とした取引を11月8日以降、停止したと発表した。また、国連安全保障理事会の制裁決議の対象となっている製品に関しては、商業用以外の製品であっても取引が禁止となった。

違反した場合、初犯は「10万シンガポール・ドル(約830万円、Sドル、Sドル=約83円)以下の罰金」か「取引製品価格の3倍相当の罰金」のどちらか高い方、または「2年以下の禁錮刑」あるいは「罰金と禁錮刑の両方」が科される。再犯の場合はさらに重い罰則が科される(詳細はシンガポール税関ウェブページPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照)。

シンガポール政府は近年、北朝鮮に関する対応を強めている。2016年10月には、北朝鮮をビザ免除国から除外し、北朝鮮国民の入国に対してビザ取得を義務付けた。また、2017年9月にシンガポール外務省(MFA)は、不要不急の北朝鮮への渡航を控えるよう国民に呼び掛けている。「ストレーツ・タイムズ」紙(11月17日)は、北朝鮮にとってシンガポールは6番目に大きな貿易相手国だ(2015年実績)と報じている。今回の貿易停止措置は、核・ミサイル開発を継続する北朝鮮に対し、これまでより厳しい態度を示す狙いがあるとみられる。

(三浦亮輔)

(シンガポール)

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