UAE投資セミナーを東京・大阪・福岡で開催-中小企業やイノベーション交流での連携に期待-

(アラブ首長国連邦、日本)

中東アフリカ課

2017年10月24日

ジェトロは10月10~13日、中小企業庁、在日アラブ首長国連邦(UAE)大使館、関係機関と連携し、東京、大阪、福岡で「アラブ首長国連邦(UAE)投資セミナー~最新経済情勢とビジネス環境~」を開催した。UAEの経済省や法律事務所による最新の同国経済開発計画と進出の留意点のほか、ジェトロからも日系企業のビジネス事例や事業紹介を行い、3会場で計200人が熱心に耳を傾けた。

「UAEビジョン2021」を通じ、知的経済を推進

日本にとってUAEはエネルギー供給国として重要な関係にあるが、同セミナーは、日本とUAEの新たなビジネスチャンスを追求するための第1弾として、東京など3都市での情報発信をロードショーと称して実施した。セミナーの冒頭、カリド・アルアメリ駐日UAE大使は、日本との関係をエネルギーに限らないビジネスパートナーとして両国の経済発展につなげたいとあいさつし、特に中小企業交流やイノベーション交流に言及、ジェトロが新たにドバイに設置した支援スキーム「中小企業海外展開現地支援プラットフォーム」などと連携したビジネスの構築に強い意欲を示した。2018年3月にはUAE政府幹部・企業からなるミッションを日本に派遣するとも述べた。

セミナーのために来日したUAE経済省のモハンマド・ハムダン・アルザービ投資貿易促進局長は、2015年のマンスーリ経済相の来日時にも同行している。約2年ぶりの訪日となった同局長は、UAEが推進している2021年までに世界最良の国を目指す「UAEビジョン2021」を中心に今後のUAEを紹介した。同ビジョンでは、国家の優先事項として、(1)連帯社会と同一性の維持、(2)安全な社会と公正な法制度、(3)知識力・競争力ある経済、(4)高水準な教育、(5)世界水準のヘルスケア、(6)持続できる環境とインフラが掲げられている。同局長は、この中で注力していくのは(3)の競争的知識経済だとし、イノベーションと研究開発を推進し、その中で起業を促進していくことが国家のビジネス環境を改善し、外国からも魅力ある国として成長を持続できるとした。イノベーション戦略として、再生可能エネルギー、運輸、教育、医療、テクノロジー、水、宇宙を掲げ、こうした分野での日本との連携に期待を示した。加えてUAEの産業が非石油産業分野においても成長を遂げていること、そのために必要となるフリーゾーンも約40カ所あり、多くの外資系企業が入居していることを強調した。

続いて講演したコンサルタント企業エミレーツ・アドボケイツ&リーガル・コンサルタンツのユーセフ・ザルメ・サイード・シニアパートナー兼最高経営責任者(CEO)は外国企業がUAEに進出する際に有効なフリーゾーンの利用を中心にメリットを紹介し、外国企業のビジネスのしやすさを念頭に置いた法改正をUAE政府が積極的に行っていることにも言及した。

写真 「UAEビジョン2021」を中心に講演するアルザービ投資貿易促進局長(ジェトロ撮影)

日系企業はアブダビやドバイ以外の首長国にも注目

ジェトロからは最近の日系企業のUAEビジネスについて紹介した。UAE全体の中で経済規模が大きく、非石油部門で強みのあるドバイを軸に中東・北アフリカ、東アフリカなどに注目する日系企業は300社以上あるとし、最近は日本食品が広く普及してきていること、医療分野でも実績が上がってきていること、UAE政府が新たに掲げる環境に配慮したエネルギー開発計画やイノベーション関連のプログラムにも関心が寄せられているとした。さらに、進出している日系企業は必ずしもドバイやアブダビではなく、フリーゾーンや拠点のメリットなどを比較検討し、ラスアルハイマなどの首長国にも進出していることにも触れ、UAE全体でビジネスの可能性が広がりつつあることを指摘した。

ちなみにジェトロでは8月から、中小企業の海外展開支援の一環としてUAEに滞在する2人のコーディネーターがUAEビジネスに関心を寄せる日系企業への支援を行っている。

(常味高志)

(アラブ首長国連邦、日本)

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