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メイ首相、EU離脱後の貿易関係深化に期待-日英ビジネスフォーラムが都内で開催-

(英国、日本)

欧州ロシアCIS課

2017年09月15日

ジェトロは8月31日、在日英国大使館と、日英ビジネスフォーラムを東京都内で開催した。訪日中のテレーザ・メイ首相や安倍晋三首相らが出席した。ジェトロと英国国際通商省の間で協力覚書が交換され、イノベーションに関する2つのパネルセッションがあった。EU離脱後の日英関係に注目が集まる中、両国の企業関係者ら約200人が参加した。

日英の貿易・投資関係を一層強化

冒頭あいさつをしたリアム・フォックス国際通商相は、2016年の世界貿易の成長率が1.3%にとどまった中で日英間の貿易の伸びは12%だったと、両国の貿易関係の力強さを強調した。加えて、ともに先進国、貿易立国であり、自由貿易・自由市場を推進していると共通点を挙げ、天然資源に恵まれない両国にとっては、知識とイノベーションこそが将来の経済的成功をもたらし、生産性の向上を推し進めると述べた。

安倍首相は、日本企業にとって英国は欧州における製造、販売、研究開発などの重要な拠点だとし、英国に約1,000拠点ある日本企業の活動が、先端技術によるイノベーションの創出、技術移転によるスキルの向上、生産性と輸出力の強化、地方経済の活性化などにより英国経済に広く貢献し、英国社会を支えるさまざまなシステムを提供しているとした。その上で、英国のEU離脱に関しては、「英国政府からは、EU離脱交渉において企業への影響を最小化するよう透明性および予見可能性に配慮するとのコミットメントをいただいており、高く評価している」と述べた。

メイ首相は、現在は将来の英国を形作る形成期にあるとして、「EU離脱に当たり、古くからの友好国や新たな同盟国との貿易関係を深化させ、さらに外に開かれた『グローバル・ブリテン』になる機会をつかむ決意を固めている。世界3位の経済規模の日本以上に貿易関係を深化させるチャンスが大きい国はほとんどない」と述べ、EU離脱後の日本との貿易関係のさらなる強化に期待を寄せた。貿易・投資に関する作業部会や、航空、宇宙、ライフサイエンス、先端製造業などカギとなる産業分野で政策対話の場を設けることにも言及した。

日本との経済連携協定(EPA)の締結については、EU離脱までは日EU・EPAの早期署名と実施を優先事項として支持し、EU離脱後に「日EU・EPAの内容を基に早期に日英EPAの締結を目指す」とした。

続いて、石毛博行ジェトロ理事長とフォックス国際通商相が協力覚書を交換した。基調講演として、日立製作所の中西宏明取締役会長兼代表執行役が、同社の鉄道事業や、4月にロンドンに開設した研究拠点「欧州社会イノベーション協創センタ」など、英国における取り組みについて紹介した。

イノベーションをテーマにパネルセッション

続いて、イノベーションをテーマに2つのパネルセッションが行われた。第1セッションのテーマは「パートナーシップを通じたイノベーション」で、英国から技術コンサルティングのケンブリッジ・コンサルタンツ、原子力発電設備のライフサイクル全般にわたるサービスを提供するカベンディッシュ・ニュークリア、日本からは丸紅、企業内の多種多様なコンピュータやデバイスを接続するソフトウエア開発・販売を手掛けるインフォテリアが参加した。各社が日英パートナーシップの事例を紹介した後、英国のスタートアップ企業の特徴、エネルギー規制環境、イノベーションとプロセス管理、イノベーションを阻害する要因などについて意見交換が行われた。

第2セッションでは「主要なスポーツイベントを通じたイノベーション」をテーマに、冒頭、ロンドンパラリンピックの競泳金メダリスト秋山里奈氏がロンドンパラリンピックでの経験について基調講演を行った。パネルセッションには、NEC、製薬大手のグラクソ・スミスクラインおよび英国の公的国際文化交流機関ブリティッシュカウンシルが参加し、それぞれ顔認証技術、ドーピング検査、文化プログラムという異なる側面からオリンピック・パラリンピックとの関連で生まれたイノベーションについて紹介した。例えば、グラクソ・スミスクラインは、ロンドン大会でドーピング検査の施設を提供し検査業務を担当、新たなドーピング物質の発見などにも貢献した。また、ブリティッシュカウンシルの文化プログラムの例では、オリンピック・パラリンピックの開催に向けて公共スペースで大規模な文化プログラムを実施するため、文化・芸術関係者が国や自治体、民間企業などさまざまな関係者との間で協力体制を構築した様子が紹介された。英国企業代表団のメンバーからは、セキュリティー分野で通常は互いに競合関係にある産業界の関係者が、かつてないほどうまく協力関係を構築したことがオリンピック・パラリンピックのレガシー(遺産)の1つだったという意見が出た。

(深谷薫)

(英国、日本)

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