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越境EC、輸入検査を強化する動きも-地場の企業に聞き取り調査-

(インドネシア)

ジャカルタ発

2017年09月05日

ジェトロは、インドネシアの越境電子商取引(EC)ビジネスの実態を把握するため、地場のクーリエ事業者やEC事業者などに聞き取り調査を行った(7月21日~8月24日)。財務大臣令により、小口貨物の輸入関税の無税枠が拡大されたものの、輸入検査を厳格化するなどの動きがみられるという。なお、日本からの越境ECを行う場合は、国際宅配便の運送料や輸入規制に留意することが必要だ。

小口貨物の関税無税枠を100ドル以下に

地場系大手クーリエのJNEエクスプレスによると、2016年11月に発布された財務大臣令182号が、インドネシア消費者による国外ECモールを利用した「越境EC」に変化を与えているという。同財務大臣令では、従来FOB価格で50ドル以下と規定していたクーリエ・郵便を利用する貨物の無税枠を100ドル以下に広げた。一方、輸入通関における検査方法については、貨物の運送状ベースの書類確認に加え、現物検査を行うと定めた。これまで小口貨物については、税関はクーリエ業者からの輸入申告に対してランダムに現物検査をしていたが、当該大臣令により書類確認、現物検査の態勢を強化する傾向にあり、クーリエ業者にとっては申告手続きが煩雑化し、輸入通関にかかる時間が長くなるなどの影響も出ているという。近年、越境ECの流行などで小口貨物が増加したことが背景にあると考えられる。

また、船積み前検査や流通許可取得の対象となっている商品もある。例えば衣服や履物、電子製品などは、輸出国側で船積み前検査を受けないとインドネシアでの輸入通関ができない。また化粧品や食品・飲料については、事前に国家食品医薬品監督庁(BPOM)の流通許可を取得する必要があるが、取得には一般的に2年間程度かかるといわれており、こうした商品については、腰を据えて準備を行わないとECビジネスを開始できないという。

商品ごとの輸入手続きや配送コストが課題

東南アジア最大級のECモールを運営する中国アリババ集団傘下のラザダ(LAZADA)・インドネシアは、越境ECに当たって輸入手続きが一番の課題という。インドネシアの輸入通関手続きは貨物によって追加的な検査や事前承認を取得する必要がある上、現場の担当官の判断が不透明な部分もあり、販売者はコンプライアンス上の課題に留意しなくてはならない。こうした難しさについては、ラザダ・インドネシアが紹介するEC専門の通関業者aCommerceやeTailwindなどのサポートを受けることも可能だ。同社は、越境ECによりインドネシア市場向け販売に取り組みたいという日本企業を歓迎している。なお、ラザダ・インドネシアはECモール経由の注文の決済を仲介するが、商品の配送・梱包(こんぽう)については事業者が手配する必要がある。

このほか、日系EC事業者によると、越境ECでは注文ごとの国際発送が必要なため配送コストが課題になるという。無税枠であるFOB価格100ドル以下の製品に送料を加えても競争力があるかどうか見極めることが必要だろう。

美容・健康分野の日本商品に商機

個別発送方式の越境ECに課題が多い中、まとめて通関することでインドネシア市場を開拓する企業もある。テレビ通販などダイレクトマーケティングの支援を手掛けるトライステージ(東京都港区)は2016年2月、インドネシアでテレビ通販やECサイトへの卸販売を行うメルディス・インターナショナルに出資した。メルディスはテレビ通販で、韓国製のハンドブレンダーなどのキッチン用品やスチームアイロンなどの家電製品などを販売してきたが、今後は日本製品の取り扱いを増やしたい考えで、特に美容機器や医薬・健康分野に期待しているという。同社はインドネシア国内での流通に必要な許認可や規格の取得、輸入通関手続きをサポートし、まとめて輸入して国内倉庫で保管する。

同社によると、日本企業がインドネシア市場に取り組む上で、まず消費者に受け入れられる価格帯、次に電圧やバルブなど海外規格への対応、適正製造規範(GMP)などの国際認証の取得、プロモーション映像など販促素材の用意などが求められるという。インドネシアのテレビ通販やEC市場は発展途上にあり、伸びしろは大きいという。同社では、インドネシア市場に挑戦してみたい日本企業があれば、その商品に応じて買い取り方式や委託販売による協業が可能だと話している。

(山城武伸)

(インドネシア)

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