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産業界は歓迎、一層の公平性求める-日EU・EPAに対するドイツの反応-

(ドイツ、EU、日本)

ベルリン発

2017年07月18日

7月6日の日EU経済連携協定(EPA)の大枠合意を受け、ドイツの主要産業団体からは世界貿易の約3割を占めるEUと日本の自由貿易圏の誕生について好意的なコメントが相次いで出された。ただ交渉は終了しておらず、公平で透明性の高い協定とするよう求める声が聞かれる。政府は、農業分野と自動車・化学製品で恩恵を最も享受するとしている。

産業団体からは交渉を担う欧州委への注文も

ブリギット・ツィプリース経済・エネルギー相は7月6日、ドイツがホストとなるハンブルクでのG20首脳会議前に大枠合意に至ったことは保護貿易主義に対する重要なメッセージだと強調し、EPAや自由貿易協定(FTA)が経済のグローバル化に必要となるルール形成に貢献する、EPAはアジアにおけるEUのプレゼンスを高めEU企業の日本市場アクセスを改善する、との見解を示した。

ドイツ最大の経済団体であるドイツ産業連盟(BDI)のディーター・ケンプ会長は7月6日、世界貿易の3割を占めるEUと日本のEPA大筋合意はグローバル化する経済にあって特別な意義を持つと歓迎の意を表明した。一方、交渉を行う欧州委員会に対して、「自動車産業の原産地規則などでEUが他国・地域と締結したFTA/EPAの取り決め内容から後退してはならない。より透明性を求める」と要請した。またドイツ自動車産業連合会(VDA)のマティアス・ウィスマン会長は7月6日、日EU・EPAは自由貿易にとって重要であり、日本・EU双方にとって公平でバランスが取れた内容とすべきだ、と強調した。そして、「EUが自動車の関税を撤廃するのであれば、EU製自動車の日本市場アクセスの障壁が取り除かれなくてはならない。この点ではこれまでの交渉で改善がみられるが、非関税障壁や特定車種への税制上の優遇などの課題はまだ残っている」との認識を示した。

政府は農業や自動車、化学にメリットと指摘

経済・エネルギー省は、日EU・EPAの恩恵を最も享受する分野として、ドイツにとっては農業分野(乳製品、肉、穀物、ワインなど)と工業製品分野(自動車、化学)、日本にとってはドイツと同様に工業製品分野を挙げている。

他方、食糧・農業省傘下のチューネン研究所は、ドイツから日本への輸出に占める農業分野の割合は1.2%と、工業製品分野47.5%、サービス分野51.4%などと比べて非常に小さく、日EU・EPAが農業分野に与える影響は限定的としている。

シンクタンクのベルテルスマン財団およびifo経済研究所の調査によると、日EU・EPAはドイツの名目GDPを年間0.1~0.7%程度、約34億~200億ユーロを押し上げる効果が見込まれる。その恩恵を受ける産業はドイツ側では特に製薬および情報通信技術(ICT)・電子、日本側では機械および電子であり、ドイツ側の機械産業と日本側の製薬業に負の影響があるとしている。また、ドイツのサービス分野は、非関税障壁の撤廃と関税撤廃によりプラスの効果があるという。

(是永基樹)

(ドイツ、EU、日本)

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