中小企業支援法が成立、2018年1月施行

(ベトナム)

ホーチミン発

2017年06月29日

国会は6月12日、中小企業支援法案を可決した。同法は総則、中小企業支援の内容、支援における責任、施行条項の4章、全35条で構成されており、2018年1月1日に施行される。

中小企業の定義や支援概要を規定

国内における中小企業支援法への注目度は高く、メディアも一斉に報じている。発行部数が国内最大の「トゥオイチェー」紙(電子版6月12日)は、国会で可決直後に「正式に中小企業支援が可能に」と伝え、大手経済紙「トイバオキンテー」(6月13日)も、「中小企業のために完璧な支援」と法案の可決を1面で報じた。

成立した中小企業支援法は、総則、中小企業支援の内容、支援における責任(行政側の役割)、施行条項の4章、全35条から構成されており、同法では零細企業を含む中小企業の定義を、「従業員200人未満」に加え、「前年度の売上高3,000億ドン(約14億7,000万円、1ドン=約0.0049円)未満あるいは資本金1,000億ドン未満のどちらかに該当した場合」と定めている。

主な支援対象は、金融アクセス、中小企業金融保証基金、税務・会計、工業用地、インキュベーション施設展開、情報・コンサルティング法務、人材育成など。また、家族経営などから転換した中小企業と業界との連結、バリューチェーンへの参入支援も大きな柱としている。

原案作成には日本の官民が協力

中小企業支援法の原案作成に当たっては、日越双方の企業や政府機関が参加する投資環境改善の枠組み「日越共同イニシアチブ」において、中小企業支援ワークチーム(WT5:ジェトロは日本側リーダー)を通じて協議、協力が行われてきた。ベトナム中小企業実態調査と、調査を踏まえた中小企業支援法案に対する政策提言は、計画投資省の公式ウェブサイトPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ベトナム語)で公開されている。また、2016年3月にはハノイ市内で、計画投資省、国際協力機構(JICA)、ジェトロなどが、日本の中小企業庁、日本政策金融公庫と連携し、ベトナムの国会議員や政策担当者向けに「中小企業支援政策ワークショップ~日本の経験」を開催した。

中小企業支援法は2018年1月1日に施行されるが、具体的な支援内容などについては、関連ガイドラインの公布が待たれる。

(大久保文博)

(ベトナム)

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