地方への権限移譲や優遇税制措置が明らかに-ミャンマー投資法の細則(1)-

(ミャンマー)

ヤンゴン発

2017年05月29日

 ミャンマー投資法は2016年10月に成立したが、同法で別途定めるとされていた細則が2月から4月にかけて順次発表された。これらの内容について3回に分けて報告する。1回目は細則の概要と地方への権限移譲、優遇税制措置について。

<ミャンマー投資法に関する細則が出そろう>

 これまで、外国会社がミャンマーに投資する場合は外国投資法(注)、内国会社が投資する場合は内国投資法と、外国会社か内国会社かにより、異なる投資法が適用されてきた。しかし、2016年10月にミャンマー投資法が成立したことで、いずれかを問わず、ミャンマー国内に投資をする際は、同法に準拠することになった(2016年10月21日記事参照)。

 

 ミャンマー政府は、旧外国投資法に基づく投資申請の受付を2016年末で終了し、それ以降はミャンマー投資法に基づいて投資を受け付けている(2016年11月24日記事参照)。同法の本格運用を目指し細則の策定を進めてきたが、4月までに全てが発表された。

 

<優遇税制期間をゾーンごとに分類>

 旧外国投資法では、投資に対する優遇税制期間は一律5年と定められていた。しかし、ミャンマー投資法第75(a)条で国内を「最も開発が進んでいない地域(ゾーン1)」「適度に開発が進んだ地域(ゾーン2)」「十分に開発が進んだ地域(ゾーン3)」の3地域に分類した。その上で、それぞれの法人所得税の免税期間をゾーン1では事業開始から7年間、ゾーン2は5年間、ゾーン3は3年間と定めた。計画財務省投資企業管理局(DICA)は、MIC通達No.10/2017(2017年2月22日付)において、ゾーンを州・管区などの大枠ではなく、タウンシップごとの細かい地域で分類した。ゾーン3にはヤンゴン管区やマンダレー管区の都心部が指定されたが、ヤンゴン管区の都心部以外はゾーン2に分類され、マンダレー管区の大規模工業団地であるミョータ工業団地などの地域はゾーン1に指定された。国境付近など開発が遅れた地域への投資はゾーン1として優遇し、産業促進や雇用拡大を目指しつつも、ミョータ工業団地のように政府として投資を促進したい地域をゾーン1に指定するなど、政府の意向がゾーンの分類に影響しているといえるだろう。

 

<地方政府への権限移譲の移行期間は24ヵ月>

 ミャンマー投資法第24条(h)では、地方政府への権限移譲が明示されており、「連邦政府が承認する投資に関し、ネピドー評議会、管区および州政府との間で調整した上で、これらの機関に権限を委譲する」と規定されている。MIC通達No.35/2017(2017年3月30日付)の第2条(v)では、権限移譲のための移行期間は24ヵ月と規定され、地方政府が関わる投資案件としてMIC通達No.11/2017(2017年3月3日付)で、投資額が500万ドルまたは60億チャット(約4億8,600万円、1チャット=約0.81円)以下とされた。

 

 なお、ミャンマー投資法の本格運用と同時に地方政府への権限移譲がされるわけではないため注意が必要だ。

 

(注)外国会社の参入に当たっては、ミャンマー投資法のほかに、経済特区に投資するための経済特区(SEZ)法が存在する。

 

(堀間洋平)

(ミャンマー)

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