EU、対オーストラリアFTA交渉の準備作業完了-2016年の商品貿易額は455億ユーロ-

(EU、オーストラリア)

ブリュッセル発

2017年04月11日

 欧州委員会は4月6日、EU・オーストラリア自由貿易協定(FTA)の交渉開始の前提条件となる「スコーピング作業」を終了したと発表した。欧州委は今後、同FTA交渉開始のためのマンデート(交渉権限)を全加盟国から取得する必要がある。早ければ2017年内にも交渉を開始する見通しだ。

<交渉範囲を特定し、効果分析に着手>

 欧州委は4月6日、EU・オーストラリアFTAに向けた事前準備として、交渉範囲の大枠を定めるスコーピング作業を終了したと発表した。欧州委のセシリア・マルムストロム委員(通商担当)は、オーストラリアのスティーブン・チオボ貿易・投資相と電話会談し、今後、交渉を開始するFTAの範囲、そして認識レベルを相互に確認できたとしている。

 

 欧州委は、同FTAに伴う相互貿易への影響など、EUに対する経済効果の分析・評価を進めているという。この評価・分析には前提となるFTAの範囲を特定する必要があり、これに基づきFTAに伴う新たなビジネス機会や、農業などセンシティブな分野を具体的に想定できることになる。

 

<オーストラリアにとってEUは第3位の貿易相手国>

 欧州委は次のステップとして、全加盟国からオーストラリアとFTA交渉を開始するためのマンデートを取得する必要があり、その上でEU閣僚理事会での交渉指令(案)の採択を求めることになる。

 

 EU・オーストラリアFTAの構想は、欧州委が2015年10月に発表した新貿易・投資戦略「万人のための貿易」〔ジェトロ「EUの新貿易・投資戦略『万人のための貿易』の概要」(2015年12月)参照〕に盛り込まれたもので、同年11月には、欧州理事会のドナルド・トゥスク常任議長、欧州委のジャン=クロード・ユンケル委員長とオーストラリアのマルコム・ターンブル首相の間で、同FTA交渉の開始に向けた準備作業を開始することで合意し、スコーピングを始めた経緯がある。EUは2016年1月に、同FTAの必要性や協定によって生じ得る影響に関する「影響評価」にも着手。欧州議会の国際貿易委員会(INTA)も2016年2月に「オーストラリアおよびニュージーランドとのFTA交渉の開始に関する決議」を採択し、欧州委に対して両国とのFTA交渉の準備と開始を要請した。

 

 なお、EUはオーストラリアにとって第3位の貿易相手国で、2016年の商品貿易の総額は455億ユーロに達する。EUからオーストラリアへの商品輸出が324億ユーロ、輸入は131億ユーロと、オーストラリア側の輸入超過が続いている。

 

(前田篤穂)

(EU、オーストラリア)

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