ITやフィンテックのASEAN新興企業が参加-日本との「イノベーション・ミートアップ」イベント開催-

(ASEAN、シンガポール、マレーシア、タイ)

イノベーション促進課、アジア大洋州課

2017年04月20日

 東京で4月7日、日本とASEANのスタートアップ企業などのマッチングイベントが開催された。オンライン決済の不正防止、複数枚のクレジットカードの支出管理など、社会課題解決型のサービスを提案するASEAN企業を紹介する。

<社会課題解決型のビジネスでマッチング>

 マッチングイベント「日本・ASEANイノベーション・ミートアップ(ASEAN-JAPAN Innovation Meetup)」は、経済産業省、海外産業人材育成協会(HIDA)、日ASEAN経済産業協力委員会(AMEICC)、ジェトロの共催で開かれた。成長著しいASEANで社会課題解決型の新ビジネスが生まれている中、本イベントの目的は日本の中堅・中小企業とのマッチングイベントを実施することにより、ASEANの産業構造の高度化に貢献し、日本とASEAN間の経済協力の深化を図ることだ。

 

 イベントには、ASEANの次世代リーダーとなる財閥系などの地場有力企業やスタートアップ企業が参加した。ASEAN企業39社がブース出展したほか、各企業のショートプレゼンテーションもあった。また、ITやロボット関連の日本企業15社も出展した。当日は400人を超える来場者があり、商談件数は延べ約450件に上った。日本企業からは「ASEAN企業と具体的なビジネスの話ができた」「各地に商流を持つ会社とネットワークを築くことができた」との声が上がった。

 

<オンライン決済の不正を防止>

 ASEAN企業はショートプレゼンテーションで、自社が開発したITやフィンテック(ITを活用した金融サービス)のアプリなどを紹介した。

 

 シンガポールのキャッシュシールド(CashShield)は、オンライン決済時の不正を防止する技術を提供するIT企業だ。同社の売りは、ビッグデータを組み合わせた最新の不正検知技術だという。例えば、ユーザーにはマウスの動かし方に一定の癖があり、独特の曲線を描くが、コンピュータを使ったプログラムの場合は、マウスの動き方は直線的となる。そうした違いを識別し、不正な決済を防止する。同社のジェーク・オオイ社長は「日本にも1社、同様の技術サービスを提供する企業はあるが、それは10年前に開発された古い物だ」と指摘する。同社は日本でのサービス提供に向けて、パートナーを探すために商談会に参加したという。

 

 タイのエコ・コーポレーション(Eko Corporation)は企業向けのプラットフォーム・アプリの開発を行っている。同社のアプリ導入企業では、従業員はスマートフォンから社内稟議(りんぎ)・決裁などを行えるほか、スケジュール管理、テレビ会議、タスク管理、チャットが手早くできる。既にタイの日系大手メーカーなどでサービス導入が進んでいるという。今回は、タイをはじめとするASEAN各国にある日系大手企業の子会社での導入拡大を目指し、日本の本社に直接PRした。

 

<フィンテックで支払いを簡易に>

 ASEANでは、オンラインストアでの売買などの電子商取引(EC)や、コンビニエンスストア、飲食店などのサービス産業が活発化している。本イベントでは、そうした店舗での支払いを簡易にするなどのサービスを提案するフィンテック企業が多かった。

 

 マレーシアのプライムキーパー・マレーシア(PrimeKeeper Malaysia)は、スマホでの小額支払いサービスを提案する。コンビニなどで買い物をする際、ユーザーはアプリを起動し、利用した店のQRコードを読み込む。保有する複数の銀行口座から支払い口座を選び、金額を決め、PINコード(暗証番号)を打ち込めば、決済が完了する。同社取締役のクレイトン・チョウ氏は「買い物客は小銭を持ち歩く必要がなく、店側はレジが不要になる」とメリットを語る。

 

 タイのネバーシットアップ(Neversitup)も、同様のサービスを提供する。同社のアプリ「Piggipo」では、複数のクレジットカードの支出を合わせて管理できる。タイではクレジットカード発行枚数が2,200万枚に達しており、都市部ではクレジットカードを複数所有するのが一般的だ。「複数のクレジットカードで買い物をした結果、合計でいくら支出したのか分からなくなる消費者が増えている」と同社最高経営責任者(CEO)のスピチャヤ・スラプンチュ氏は話す。Piggipoは2014年にサービス提供を開始し、ユーザー数は25万人を突破した。

 

 シンガポールのイーツィ(Eatsy)は、飲食店に特化したシステム、アプリを提供する。同社創業者(Founder)のシュアン・ヘン氏は「顧客の3分の2はリピーターなのに、飲食店は初めての客を重視しがちだ」として、同社のシステム、アプリのメリットを強調する。顧客が同社の提携アプリを通して注文すれば飲食代の割引を受けることができ、一方レストランのオーナーも、Eatsyを通じて、顧客ごとの来店回数や嗜好(しこう)を把握でき、個別に再来店を促すことができるという。

 

(田中井将人、北見創)

(ASEAN、シンガポール、マレーシア、タイ)

通商弘報 f13d4cad5f0036c4

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