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政財界は米国との経済的結び付きを強調-石油パイプライン計画復活を歓迎-

(カナダ、米国)

トロント発

2017年02月02日

 トランプ米大統領の就任演説を受け、カナダ各界はコメントを発表した。ジャスティン・トルドー首相は、アプローチは異なるものの中間層の支援という観点では共通しているとして、大統領や米国議会との協力に期待を示した。産業界は、米国との経済的な結び付きの強さを強調。1月24日にトランプ大統領がキーストーンXLパイプライン計画を復活するための大統領令に署名したことに対しては、カナダ経済に好影響をもたらすと期待するコメントが多い。

<保護貿易主義には警戒感も>

 トランプ米大統領の就任後、カナダの主要メディアは各界の反応を相次いで報道した。「ハフィントンポスト」紙(120日)によると、トルドー首相は「カナダ政府は、カナダと米国の中間層の繁栄を取り戻し、より安全で平和な世界をつくり出すため、トランプ大統領および米国議会と連携することを楽しみにしている」「中間層に対するアプローチはトランプ大統領と異なるが、われわれはどちらも中間層を支援することを公約に掲げて選出されており、両国に住む一般家庭を助けるための共通点を見いだすことができるだろう」と述べている。

 

 カナダ商工会議所のペリン・ビーティー会頭は「カナダはトランプ大統領の国際貿易、特に対カナダ政策が明らかになるまで過剰な反応をするべきではない」とした(「グローブ・アンド・メール」紙120日)。さらに「米国の35州の最大の輸出相手国はカナダであり、保護貿易主義は保護貿易主義を招く。つまり、カナダ製品に対して障壁を設けるのであれば、カナダも米国製品に対して障壁を設けるだろう」とも述べた。

 

 「トロント・スター」紙(120日)によると、オンタリオ州のキャスリーン・ウィン首相は「米国の20州にとって、オンタリオ州は最大の輸出相手となっており、またオンタリオ州の全輸出の8割以上を米国向けが占めている」と述べ、オンタリオ州と米国の経済の結び付きの深さを強調した。また、「米国新政権の誕生がオンタリオ州にとって何を意味するか正確には分からないが、保護貿易主義の時代が始まるかもしれない今、われわれはビジネスの競争力を高める必要がある」と述べた。

 

<パイプライン計画の復活は雇用増大に寄与>

 大統領就任式に参加したカナダ石油生産者協会のティム・マクミラン会長は120日、CBCニュースのインタビューで、「トランプ氏の大統領就任演説は、カナダに注意を喚起するものだ」と述べた。同会長は「米国の政策変更は必ずしもカナダを念頭に置いているものではないが、トランプ大統領が演説時に繰り返し言及した保護主義という心配の種は、統合が進む北米の石油ガス業界において障害になるかもしれない」と懸念を示した。

 

 一方、124日にトランプ大統領がキーストーンXLパイプライン計画を復活させるための大統領令に署名したことを受け、カナダの政財界は歓迎のコメントを発表した。トルドー首相は、トランプ大統領の決定はカナダに雇用と政府の収入の増加をもたらし、原油価格の低迷に苦しむアルバータ州を支援することになる、として支持を表明した(CBCニュース124日)。また、ビーティー会頭は「今回の決定は、主に建設関連などで4,500人の直接雇用を創出し、何千人もの人々が間接的に恩恵を受けることになるだろう。エネルギー業界は、オンタリオ州の製造業界やケベック州のエンジニアリング業界、ブリティッシュ・コロンビア州のクリーンテック産業にとって重要な顧客となっている」と述べた。

 

(伊藤敏一、ジョニー・タン)

(カナダ、米国)

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