輸出増値税、418税目の還付率を一律17%に引き上げ
(中国)
北京発
2016年11月16日
政府は11月4日付で、1日にさかのぼって、418税目に及ぶ機械・電機製品、石油製品などの輸出増値税の還付率を一律17%に引き上げると発表した。輸出額の落ち込みが続く中、価格競争力を高めることで輸出拡大を期待した政策とみられる。
<カメラやガソリンなど対象、11月1日から適用>
財政部、国家税務総局は11月4日付で「機械電機製品、石油製品などの輸出増値税還付率引き上げに関する通知」(財税[2016]113号)を発表し、各地の財政・税務部門に通知した。カメラ、撮影機械、内燃機関、ガソリン、ジェット燃料、ディーゼル油など418税目の輸出増値税の還付率を一律17%に引き上げるというもので、11月1日にさかのぼって適用された。
対象品目の詳細は同通知の添付ファイルで確認できる。この政策は国務院が5月9日に公表した「貿易の安定回復と向上に関する若干の意見」(国発[2016]27号)で、取り組むとしていた項目の1つだ。
2016年1~10月の貿易額は前年同期比7.6%減の2兆9,815億ドルで、輸出は7.7%減の1兆7,115億ドル、輸入は7.5%減の1兆2,699億ドルとなった。2015年は貿易額が前年比8.0%減だったが、2016年も厳しい状況が続いている。特に輸出は3月を除いて前年同月比減が続いており、10月で7ヵ月連続マイナスとなった。輸入も8月を除き、2014年11月以来マイナスが続いている。商務部が11月2日に発表した中国対外貿易情勢報告(2016年秋季)では、世界経済が回復力を欠くなど外部環境の不確定要素が多くなっていることなどから、2017年の貿易も厳しく複雑な状況に直面すると指摘している。
こうした厳しい情勢を踏まえ、輸出増値税の還付率引き上げによって輸出品目の価格競争力を高め、輸出拡大につなげたいという政府の意向が見て取れる。
(宗金建志)
(中国)
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