高機能で高いデザイン性の日本製品が好評-インテリア関連見本市、サンティアゴで開催-

(チリ)

サンティアゴ発

2016年09月08日

 インテリア関連商品の見本市「100 SHOWROOMS 2016」が7月28~30日、チリの首都サンティアゴで開催された。同見本市では、ジェトロのジャパンブースに日本の中小企業16社の商品を展示し、来場者の好評を博した。

<ジャパンブースに中小企業16社が出展>

 「100 SHOWROOMS 2016」は、2015年に引き続き、サンティアゴ市ビタクラ区の総合イベント会場カサ・ピエドラで開催された。この見本市は民間の企画会社トレードショーズが主催しており、今回で6回目の開催となった。主催者の発表によると、国内外から60以上の企業・団体が出展し、インテリア用品店のバイヤー、建築家やデザイナーなど4,000人余りが来場した。インテリア関連商品の見本市ということで、展示品は装飾品から家具・家電やシステムキッチン、壁紙など多岐にわたっていた。外国企業としては、スペインの家具メーカーやオーストリアの照明メーカー、スウェーデンの家電メーカーなど、欧州企業の出展が目立った。日本企業は暖房器具メーカーのトヨトミが出展していた。

 

 ジェトロでは2016年度、「南米生活雑貨輸出チャレンジ事業」をチリ、コロンビア、ペルー、ブラジルの4ヵ国で展開しており、「100 SHOWROOMS 2016」へのジャパンブース出展はその一環となっている。本事業は南米での販路が未開拓か、もしくはさらなる拡販を目指す日本の中小企業を対象としたもので、展示品サンプルを送付すれば、ジェトロがチリのバイヤーと企業の橋渡しをする。担当者の出張が必要ないため、中小企業にとって参加のハードルが低く、約40社から申し込みがあった。今回は見本市との親和性や市場のニーズに鑑み、16社の商品を展示した。和食器や陶器、こけしなど純和風雑貨から、弁当箱や魔法瓶、包丁、水分計など機能性の高い雑貨まで、バラエティーに富んだラインアップだった。

 

<包丁やガラス製品に人気>

 今回、特に注目された商品は包丁だ。その切れ味の良さに来場者は驚き、チリで一般に販売されている包丁との違いを実感していた。複数の来場者から、包丁の耐用年数について質問があった。チリではあまり包丁を研ぐ習慣がないため、研がなくとも切れ味の良さが持続する包丁のニーズが高いようだ。

 

 また、グラスやティーポットなどのガラス製品も好評だった。ジャパンブースの展示品はチリ製ガラス製品に比べ、ガラスの薄さが際立っていたり、茶葉が広がりやすいようティーポットに大きな茶こしが入れ込んであったりと、デザイン上や機能上の工夫が目立った。

 

 弁当箱の人気も高かった。最近は子供だけでなく、大人も職場に弁当を持参することが多いが、チリで一般に売られている弁当箱はほとんどがプラスチック製保存容器と同じような形状のものだ。シンプルだが、デザイン性の高い弁当箱が来場者の関心を集めた。

 

 プランターの水分量を計測する水分計も、来場者の関心を引いていた。チリではガーデニングや家庭菜園をする人が多く、ホームセンターのガーデニングコーナーは占有面積が広い。水分計はチリにはない商品であるため、多くの来場者が興味深く見ていた。

 

 今回好評だった商品の共通点は、高い機能性やデザイン性を持つことだ。また、チリではなじみのない商品であっても、チリ人の関心の高い分野に関する商品ならば十分に関心を集め得る。価格だけでなく、日本製品の良さを評価するチリの消費者は、日本企業にとってビジネスの対象となりそうだ。

写真 にぎわうジャパンブースの様子(ジェトロ撮影)

(佐藤輝美)

(チリ)

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