欧州委、英国との離脱協議を担うタスクフォース立ち上げ

(EU、英国)

ブリュッセル発

2016年09月21日

 欧州委員会は9月14日、英国のEU離脱に向けた準備と協議を担当する専門部門「50条タスクフォース」を立ち上げることを決定した。総責任者の首席交渉官には、フランスの右派系政治家ミシェル・バルニエ氏が任命されている(10月1日付で就任予定)。また、実務トップの次席交渉官に、欧州委・通商総局副総局長のザビーネ・ベヤント氏(ドイツ出身)を起用することも発表した。

<離脱後の対英関係についても協議>

 欧州委は914日、EU基本条約(リスボン条約)第50条に基づき、英国政府とのEU離脱協議を担当するタスクフォース立ち上げを決定したと発表した。総責任者としてフランスの右派系政治家バルニエ氏が首席交渉官に任命されている(2016年8月1日記事参照)。バルニエ首席交渉官の下で、英国のEU離脱に向けた準備・協議を進めるとともに、離脱後の英国との関係構築についても協議する。

 

 また欧州委は同日、タスクフォースの実務トップの次席交渉官として、欧州委・通商総局の副総局長を務めているベヤント氏を起用することも発表した。バルニエ首席交渉官とともに101日付で就任する予定だ。ベヤント氏は通商総局で「近隣諸国政策、米国・カナダ関係」「WTO関係」「通商戦略分析」「通商防衛措置」などを所管していた。

 

 欧州委のジャン・クロード・ユンケル委員長はタスクフォース発足について、「新たな組織には欧州委の英知を結集する。彼らは専門分野の知見や経験を駆使してバルニエ首席交渉官を補佐し、英国との交渉を円滑に進めるだろう」「また、新たな課題を克服し、英国のEU離脱後も新たな関係構築に尽力してくれることだろう」とコメントした。

 

(前田篤穂)

(EU、英国)

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