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法人税が15%に減税される優遇政策も-広東省韶関市に投資環境視察ミッション-

(中国)

広州発

2016年08月10日

 ジェトロ広州事務所と広東省商務庁は6月23日、広東省北部にある韶関市に投資環境視察ミッションを派遣した。日系企業などから12人が参加、現地進出企業を訪問し、韶関市政府と意見交換を行った。省都の広州市から高速鉄道で約1時間の距離にある韶関市の少数民族自治県では、法人税が15%に減税されるなどの優遇政策が受けられる。

<重工業が昔から盛ん>

 韶関市は広東省北部、広州市から約200キロ、深セン市から約350キロに位置し、湖南省と江西省に隣接している。高速道路や高速鉄道の整備が進み、広州市からは車で約3時間、高速鉄道なら約1時間の距離にある。

 

 産業は重工業が古くから栄え、現在でも製鉄、冶金(やきん)、機械設備製造などが行われている。エネルギー、建材、玩具、タバコなどの生産も盛んで、銀、亜鉛の生産量は全国1位とされる。経済指標をみると、2015年の域内総生産(GRP)は1,150億元(約1兆7,250億円、1元=約15円)、常住人口は293万人、などとなっている(表参照)。

表 韶関市の主要経済指標(2015年)

 なお、ジェトロは2014年から、広東省商務庁と共同で広東省の東部、西部、北部の経済振興についての事業を実施しており、2015年には東部の汕尾市へ投資環境視察ミッションを派遣した(2015年6月8日記事参照)。

 

 今回のミッションではまず、韶関市の乳源ヤオ族自治県にある乳源東陽光精箔を訪問した。同社は中国系の東陽光グループと日系アルミニウム大手UACJの合弁企業で、アルミ箔を中心に、電解コンデンサー用箔、自動車熱交換器素材などを製造・販売している。同市に進出した要因として、(1)労働コストが安価なこと、(2)電気料金が安いこと、(3)市場が華南地域にあること、を挙げた。特にアルミ箔の製造において電気料金は重要な要素で、進出当初は4,000万元のコストダウンにつながったという。また、同自治県は少数民族自治区であるため、法人税の地方税分が還付され25%の税率が実質15%となる優遇が受けられる。ハイテク企業認定を受けていなくても、減税措置を受けられることが大きなメリットとなっている。

写真1 乳源ヤオ族自治県(ジェトロ撮影)

<広州工場の人材活用も可能>

 次に、トナー定着用ハロゲンヒーターを主に生産する牛尾電機(韶関)を訪問した。親会社のウシオ電機は、2002年に広州市番禺区に工場を設立し、来料加工(注)を行ってきた。しかし、来料加工の規制強化や人件費の上昇などにより新たな拠点を設立する必要に迫られ、2012年に韶関市に進出した。同市に進出した要因は、(1)人件費が安価なこと、(2)顧客となる事務機器セットメーカーに近いこと、(3)番禺工場の人材を活用できること、などだという。これらを総合的に考慮すると、同じく広東省東西北部の河源市や清遠市、あるいはベトナムやミャンマーなどと比べても優位性を感じたという。特に(3)について、同社の陳細添董事総経理は「ベトナムなどに進出した場合、韶関市より人件費は安価だが、人材を一から育成し、間接部門を新たに立ち上げる必要があるため、トータルのコストが安くなるとは限らない」という。また、高速鉄道を利用すれば番禺工場から韶関工場へは2時間程度で到着できるため、生産管理面で問題が起きた場合に支援が容易な点も大きなメリットとなっている。

写真2 牛尾電機(韶関)(ジェトロ撮影)

<市は物流コストの改善目指す>

 最後に、駱蔚峰市長をはじめとする韶関市政府関係者と意見交換会を開いた。市政府も、珠江デルタ地域に比べてさまざまな面でコストが安いことを優位性としている。ただ、「物流費はやや高いので改善が必要だ」(駱市長)としており、今後は空港や鉄道の整備に加え、陸送用の物流センターを設立するなどの改善策を講じるという。また駱市長は「特殊鋼については、宝鋼集団が割引販売をしているのでぜひ活用してほしい。820日には日本を訪問し投資環境をPRする予定で、引き続き日系企業を誘致したい」と述べた。

 

(注)主に外国企業が中国企業と委託加工契約を結び、賃借した工場(来料加工廠)で保税措置された輸入部材を免税輸入された設備で加工、製品を原則100%輸出する加工貿易形態のこと。部材は外国企業側が無償支給し、来料加工廠は同材料を活用した製品輸出の対価として加工賃のみを受け取る。

 

(河野円洋)

(中国)

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