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上海市、国内初の医薬品市販承認取得者制度を実施

(中国)

上海発

2016年08月18日

 上海市政府は7月25日、全国初となる医薬品市販承認取得者(MAH)制度を実施した。同制度の施行により、医薬品の開発者は医薬品メーカーを通さず、直接に医薬品の認可取得や市販を行えるようになった。また、同制度の活用を促すために、政府は保険料補助金など2つの優遇政策を実施する。同制度は今後、10省・直轄市(上海市を含む)で施行される予定で、医薬品業界に大きな影響を及ぼすとみられる。

<保険料補助金など2つの優遇政策も>

 上海市政府弁公庁は725日、上海市食品薬品監督管理局が制定した「上海市が医薬品MAH制度のテスト運営を実施する方案」を公布し、同日から医薬品MAH制度を施行した。同方案の実施期間は2018114日まで。

 

 上海市政府が83日に発表した「『上海市が医薬品MAH制度のテスト運営を実施する方案』の政策解読」によると、今回施行された医薬品MAH制度と従来の医薬品管理制度には、主に以下の2点の違いがある。

 

1)これまでは、医薬品の市販権は医薬品メーカーにしか与えられなかったが、今後は医薬品の研究開発機構・開発者も直接に医薬品認可を取得し、市販できるようになり、医薬品の安全性、有効性と品質について全ての責任を持つ。

2)医薬品の研究開発機構・開発者は医薬品認可を取得した後、同地域内の医薬品メーカーに生産を委託することができる。

 

 上海市政府は、研究開発機構・開発者が同制度を積極的に活用するよう、以下の2つの優遇政策を実施している。

 

1)張江ハイテク園区(注)核心区内に立地する医薬品MAHおよび医薬品MAHの生産委託を受け入れた医薬品メーカーにリスク補償をする。商業保険を購入する場合は保険料に対し補助金を支給する。

2)同テスト方案を利用する一部薬種の一部医薬品MAHに対し、テスト製品を事前申告なしに通関できるようにし、技術支援、特別な行政サービスを提供する。

 

 また、上海市食品薬品監督管理局は、同局の医薬品オンライン申請サイトで「医薬品MAH申請の手続きガイドライン」を公開し、受付窓口、審査時間や必要書類など具体的な申請方法を明らかにしている。

 

<全国10省・直轄市のテスト実施の皮切りに>

 全国人民代表大会常務委員会は201511月に国務院に対し、上海市、北京市、天津市、河北省、江蘇省、浙江省、福建省、山東省、広東省、四川省の10省・直轄市で医薬品MAH制度をテスト実施する権限を与え、国務院は20165月、同制度の実施方案を公布した。中国政府はテスト結果を踏まえ、将来的には全国に同制度を導入する方向だ。

 

 上海市は今回、医薬品MAH制度を実施する国内初の地域となった。北京市政府は翌26日に、「北京市が医薬品MAH制度のテスト運営を実施する方案」を公布したが、手続きの詳細を定める申請方法はまだ公開していない。

 

 医薬品MAH制度は、既に日米欧などの先進諸国で普及している。新薬商用化の時間短縮、開発者の意欲増進、開発能力のない医薬品メーカーの淘汰(とうた)につながり、中国医薬品業の開発能力向上と業界再編を促す効果が期待される。

 

(注)張江ハイテク園区は上海市浦東区に立地し、バイオ製薬、ITなどのハイテク産業企業が集積している。

 

(文涛)

(中国)

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