第1四半期の日本への団体旅行者は7割増

(中国)

上海発

2016年08月01日

 第1四半期(1~3月)の中国人の海外団体旅行者数は前年同期比18.9%増加した。旅行先のトップ10は全てアジアで、日本への旅行者は70.7%増えた。英国の調査会社などによると、2025年の中国人の海外旅行支出額は2位の米国の1.9倍に達する見通しだという。

<旅行先のトップ10は全てアジア>

 国家旅遊局は622日、2016年第1四半期の中国人の国際観光状況を発表した。それによると、旅行会社を通じて海外旅行をした中国人は前年同期比18.9%増の1,0642,300人に達した。また、旅行日数も前年同期の1人当たり5.0日から5.3日に伸びた。

 

 旅行先をみると、アジアが全体の85.6%を占めている(表参照)。1位はタイで、香港、日本と続き、トップ10は全てアジアだった。ベトナムが前年同期比3.2倍、日本が70.7%増と人気が高まった。

表 2016年第1四半期の中国人の海外団体旅行先

 アジア人気の最大の理由は買い物だ。総合ポータルサイト「網易(ネットイース)」は6月末に、中間層を対象にした調査レポートを公表した。それによると、海外旅行によく出掛ける人は全体の82.7%、越境電子商取引(EC)で買い物をする人は55.9%を占めた。同社傘下の越境ECサイト「考拉海購網(コアラ)」を利用する理由については、「国産品よりもコストパフォーマンスが高い」が74.0%で最も多く、「安全・安心」が60.0%と続いた。日本製、韓国製の商品の人気が高く、嗜好(しこう)や機能性などが優れている割には、比較的手頃な価格の商品が多いなどの理由が挙げられている。

 

2025年の海外旅行支出額は米国の1.9倍に>

 英調査会社のオックスフォード・エコノミクスと米決済大手のビザ(Visa)が年収2万ドル以上の世帯を対象に行った調査によると、2025年の中国人の海外旅行支出額は2015年比86.0%増の2,554億ドルに上る見通し。これは2位の米国(1,341億ドル)の1.9倍で、35位のドイツ、英国、ロシアの合計額をも上回る。また、中国人世帯の海外旅行支出の伸び率は、20152025年が年平均6.4%に達し、世界平均の4.4%、発展途上国の平均6.1%をいずれも上回ると予測している。

 

(劉元森)

(中国)

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