河北省の最低賃金、7月1日から平均12.6%引き上げ

(中国)

北京発

2016年07月14日

 河北省は7月1日から最低賃金を平均12.6%引き上げた。1類地域の石家荘市、保定市、廊坊市、唐山市、秦皇島市などの最低賃金は、月額1,480元(約2万3,680円、1元=約16円)から1,650元へ11.5%引き上げられた。

<パートタイムの時給も2元引き上げ>

 河北省人力資源・社会保障庁は630日付で、「河北省の最低賃金基準の調整に関する通知」(冀人社字[2016108号)を発表し、同省の最低賃金を71日から月額170元(平均12.6%)引き上げた。河北省の最低賃金は地域ごとに14類に分類され、月額はそれぞれ1,650元、1,590元、1,480元、1,380元となる(表1参照)。このうち、1類地域には石家荘市、保定市、廊坊市、唐山市、秦皇島市などが含まれ、引き上げ後の金額は1,650元と最も高く、上昇率は11.5%で最も低くなる。順平県などを含む4類地域の上昇率は14.0%で最も高い。また同通知では、同一勤務先で1日当たり4時間、または1週間で計24時間を超えない非全日制就業(パートタイム)労働者の地域別最低時給も、17元、16元、15元、14元に、それぞれ2元ずつ引き上げられた。

表1 河北省の最低賃金

 最低賃金の月給には個人負担分の社会保険、住宅積立金が含まれているが、(1)企業負担分の社会保険、住宅積立金、(2)残業・時間外賃金、(3)昼から夜までの勤務、夜間、高温、低温、地下、有毒有害など特殊環境手当、(4)法律や国家規定により定められた労働者の福祉待遇、などは含まれていない。時給には月給の項目のほか、企業負担分の養老保険と医療保険も含まれている。

 

1類地域の上昇率は鈍化>

 最低賃金制度は全国31省・自治区・直轄市で実施され、最低賃金規定により少なくとも2年に1回の調整が義務付けられている。河北省の1類地域の最低賃金の引き上げ率をみると、2011年の改定時の22.2%から、201220.0%、201412.1%、そして2016年は11.5%と鈍化傾向が続いている(表2参照)。

表2 河北省1類地域の最低賃金の推移

 なお、同省政府は327日に「実体経済企業のコスト削減に関する若干の政策の通知」(冀政発[201614号)を発表し、「企業の人的コストを合理的に削減するため、企業の負担能力と労働者の昇給の要望をともに配慮した上で、最低賃金基準の調整幅を適度に縮小させる」との方針を示していた。今回の引き上げ率はこれを踏まえたかたちだ。

 

趙薇

(中国)

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