インドとパキスタンの新規加盟が最終段階へ-上海協力機構、首脳会議を開催-

(ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ロシア、中国、インド、パキスタン)

タシケント発

2016年07月04日

 上海協力機構(SCO)の首脳会議(サミット)が6月23~24日、ウズベキスタンの首都タシケントで開催された。インドとパキスタンの新規加盟が最終段階に入り、同機構が米欧に対する基軸としての性格を強めつつある。首脳会議を機に、中国の対ウズベキスタン経済協力も大きく前進した。

<インドとパキスタン加盟の要件に関する覚書に署名>

 2日間の首脳会議を通じて、「SCO15周年タシケント宣言」が採択され、地域の安全保障と発展のため加盟国が引き続き努力するとともに、非加盟の国および国際機関と対抗するものではないことが確認された。また、2025年までのSCO発展戦略実現のための「20162020年活動計画」が採択された。

 

 インドとパキスタンの加盟のための要件に関する覚書が署名された。2017年の正式加盟が見込まれている。インターファクス通信(624日)は、ロシアのハキモフ大統領特別代表の「(ロシアと中国に加え)インドとパキスタンという2大核保有国の加盟はSCOの潜在力を一新させるだろう」とのコメントを紹介している。また、タス通信(622日)によると、ロシアのウシャコフ大統領補佐官はイランの加盟について、「核制裁解除を踏まえ、加盟手続きに問題はない」と前向きの見方を示している。中ロ主導の米欧への対抗軸形成に一段と弾みがつきそうだ。

 

 首脳会議には、カザフスタンのヌルスルタン・ナザルバエフ大統領、中国の習近平国家主席、キルギスのアルマズベク・アタムバエフ大統領、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、タジキスタンのエモマリ・ラフモン大統領、そして議長国ウズベキスタンのイスラム・カリモフ大統領が出席した。また、アフガニスタンのガーニ大統領、ベラルーシのルカシェンコ大統領、インドのモディ首相、モンゴルのエルベグドルジ大統領、パキスタンのフセイン大統領、イランのザリフ外相(以上、オブザーバー国)のほか、客員国としてトルクメニスタンからベルディムハメドフ大統領が参加した。

 

 次回の首脳会談は、議長国カザフスタンの首都アスタナで20176月に開催される。

 

<ウズベキスタンと中国の経済協力進む>

 タシケントでのSCO首脳会議の機会に、ウズベキスタンと中国との経済協力が大きく進展した。両国は、石油・天然ガス分野および輸送分野における総額2億ドルを超える7つの文書に署名した。(1)技術・経済協力に関する政府間合意、(2)知的財産権保護分野における協力に関する政府間合意、(320162017年の両国外務省間協力事業、(4)ウズベキスタン対外経済関係投資貿易省と中国商務部との投資協力に関する覚書、(5)同省と同部の主要品目貿易に関する覚書、(6)ウズベクネフテガスと中国発展銀行との石油・天然ガス部門における共同融資事業向け総額1,700万ドルの貸し付け合意、(7)ウズベキスタン対外経済活動銀行と中国発展銀行との航空機材更新計画向け総額9,250万ドルの貸し付け合意だ。

 

 前日の622日にはタシケントで、カリモフ大統領と習国家主席の出席の下、ウズベキスタン東部カムチク峠の鉄道トンネル開通式が行われた。19キロのトンネル工事は5月に中国側の技術で完成しており、7月から商業輸送が始まる予定だ。カムチク峠をまたぐアングレン~パプ間の124キロに及ぶ鉄道新線敷設事業は総額168,000万ドルに上り、中国輸出入銀行とウズベキスタン復興開発基金からの融資で賄われた。アングレン~パプ間鉄道の開通により、タシケントからフェルガナ地方と直接の鉄道輸送が可能となった。従来の鉄道ルートはタジキスタン領土を通過する必要があったため、通行料が徴収されるなど不便を来していた。将来的に、キルギスを経てウズベキスタンと中国との間を鉄道で結ぶ構想もある。

 

(下社学)

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