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業績見通しと経済先行きに明るさ-2015年度欧州進出日系企業実態調査(1)-

(欧州)

欧州ロシアCIS課

2016年01月05日

 ジェトロが欧州進出日系企業を対象に実施した2015年度の実態調査によると、2015年の営業利益見通しは「黒字」が72.0%と前回より1.9ポイント増加した。欧州経済の先行きについては、約半数が慎重な見方を示したものの、前向きな見方が増加した。将来有望な最大の販売先として、トルコが首位となり、欧州域内からドイツとポーランドが続いた。2015年度欧州進出日系企業実態調査の結果を2回に分けて報告する。

<営業利益見通しは高水準を維持>

 ジェトロは「2015年度欧州進出日系企業実態調査」を2015917日~1015日に実施し、西欧、中・東欧に立地する製造業と非製造業957社から回答を得た(有効回答率68.4%)。

 

 欧州進出日系企業の2015年の営業利益見通しは、「黒字」が72.0%(前年度比1.9ポイント増)、「均衡」は14.9%(2.1ポイント減)、「赤字」は13.1%(0.1ポイント増)だった。過去10年間の製造業の営業利益見通しの推移をみると、「黒字」の割合は2008年のリーマン・ショック発生以前を上回る高水準を2年連続で維持している(図1参照)。

<欧州経済の先行きに楽観視広がる>

 欧州経済の先行きに対して、「景気後退から抜け出すのにまだ時間がかかる」が52.9%(前年度比14.5ポイント減)を占めたものの、「既に景気後退から抜け出した」は20.2%(8.3ポイント増)、「景気後退から近々(半年以内に)抜け出す見込み」が16.1%(4.6ポイント増)となり、景気先行きについて楽観視する見方が増加した(図2参照)。欧州委員会が201511月に発表した「秋季経済予測」のEUの経済成長率(20151.9%、20162.0%)を日系企業が実感している結果となった。

 今後12年の事業展開を「拡大」と回答した企業は48.5%(前年比3.9ポイント減)、「現状維持」は48.2%(3.8ポイント増)だった。欧州経済に明るい兆しがみえる中、欧州進出日系企業の拡大意欲は一服し、現状維持を示す傾向が明らかになった。

 

<有望な販売先でトルコが首位維持>

 将来有望な販売先は、前回に引き続きトルコが首位(270社が選択)だった。ドイツと同規模の人口(約7,770万人)を抱えるトルコでは、201510月に発表された20162018年の「中期経済計画」で2015年の実質GDP成長率予測が4.0%から3.0%へ下方修正されたが、2016年以降は高成長が期待されている。トルコを含む中東の国を将来有望な販売策として選んだ理由として「需要増に対する期待」が他地域より高く(79.2%)、さらに地理的な要因として「中近東・アフリカ市場へのゲートウエーだから」などのコメントがあった。

 

<ドイツ2位、ポーランド3位、ロシアは4位に後退>

 近年、外需から内需へと成長の軸足がシフトした欧州域内からは、ドイツが2位(222社)、ポーランドが3位(212社)だった。欧州域内の国を選んだ理由として、「需要増に対する期待」などのほか、「MAによる被買収企業との相乗効果(シナジー)追求」などのコメントも挙がった。欧州では、営業・販売強化を目的とした買収の動きがみられる。

 

 一方、経済停滞のほか、EUなどによる制裁や不安定な為替などのリスクを抱えるロシアは、前回の2位から4位に後退した(203社)。

 

小菅宏幸、深谷薫

(欧州)

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