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トルコ産農産品・食料品の17品目を輸入禁止

(ロシア、トルコ)

欧州ロシアCIS課、サンクトペテルブルク事務所

2015年12月03日

 ロシア政府は11月30日、トルコ軍のロシア機撃墜に対する報復措置として、トルコ産の農産品・食料品の輸入禁止措置を2016年1月1日から適用する政府決定を公表した。この措置は11月28日に署名された大統領令に基づくもので、野菜・果物・肉など17品目が対象となる。

<代替可能な品目を201611日から禁止に>

 メドベージェフ首相は20151130日、連邦政府決定第1296号に署名した。同決定は、プーチン大統領が署名した1128日付大統領令第583号「ロシア連邦と国民の安全保障に関する措置とトルコへの特別経済措置適用について」の実施規定に相当する。この決定により、トルコ産の農産品・食料品のうち17品目が201611日から輸入禁止となる(表参照)。

 イーゴリ・シュワロフ第1副首相は「トルコにとって重要な輸出品目で、かつロシア国民には影響が大きくないものを対象に品目を選んだ。ロシア国内で生産可能なものや他の国からの調達により代替可能な品目だ。既に、本措置により商品不足が生じることのないよう、関係機関と調整を進めている」と述べた。一部で懸念されていた工業製品の輸入禁止は現段階では含まれていないが、同副首相は、影響次第では対象範囲を拡大するとしている。

 

 その一方で、JPモルガン・チェース(米国)は、大部分の輸入禁止対象品目については代替可能だが、トマトは代替では不足する可能性があるとし、輸入禁止となった農産品の価格は約3040%値上がりし、23%のインフレを引き起こすと予測している(「ベドモスチ」紙121日)。

 

<対象外品目を含め、決定前から全品検査>

 政府決定とその根拠となる大統領令発出の前に、ロシアの各税関ではトルコからの輸入品に対する規制が強化されていた。ロシアの企業家団体であるオポラ・ロシアのイーゴリ・ルベリスキー・モスクワ支部運輸委員長によると、ロシア機がトルコ軍により撃墜された翌日の20151125日には、トルコからの貨物の全品検査が開始されていたという(経済専門ラジオ局ビジネスFM 122日)。これにより、制裁対象品目ではないトルコ製品、あるいはトルコ経由の輸入品も、既に適時の配送に支障を来している例がみられる。

 

 ロシア系通関業者によると、ロシアのコンテナ貨物輸入の大半を占めるサンクトペテルブルク港では121日現在、トルコから輸入される貨物の全品検査が継続されている。大手法律事務所DLAパイパーによると、X線検査や開封検査が実施されるなど、検査が強化されているという。日系企業を含む外国企業がトルコから輸入している自動車や自動車部品の配送にも支障が出ており、当面は在庫で対応する企業もみられるが、本措置の適用が長期にわたると生産や販売に影響が出る可能性もある。

 

<これまで進めてきた経済協力関係にも影響>

 制裁の影響は、両国政府がこれまで進めてきた経済協力にも及ぶ。20105月に締結された両国民の相互訪問に関する協定が201611日以降停止となるほか(2015年12月2日記事参、貿易・経済協力委員会の活動や、サービスの輸出と投資に関する協定締結に向けた協議、貿易・科学技術・文化における協力プログラム締結に向けた協議が停止となる。

 

 ロシア国内のトルコ企業の活動や、トルコ人労働者の雇用にも影響が出る見込みだ。政府は、発注停止・制限の対象となる在ロシアのトルコ企業や、トルコ国民により業務が行われる案件・事業の取りまとめを20151210日までに行うよう、関係省庁に指示した。輸送分野では、既に121日から両国間のチャーター便の運行が禁止されている。また、トルコの輸送業者に発行している自動車輸送許可証を2016年は2,000件に削減する方向だ。さらに必要に応じて、発行済み許可証の効力停止も示唆している。

 

(梅津哲也、田端義明、宮川嵩浩)

(ロシア、トルコ)

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