外国からの投資障壁、オフセット・プログラムを完全撤廃
(クウェート)
ドバイ事務所
2015年10月05日
クウェート政府はオフセット・プログラムの完全撤廃を8月31日の閣議で決定した。外国からの投資の大きな障壁になっていた同プログラムの撤廃により、ビジネス環境の改善が期待される。
<日本など各国政府の要望受け決定>
オフセット・プログラムは、クウェート経済の多様化と発展に向け、海外からの技術移転、クウェート人の雇用創出および人材育成を行う目的で1992年に設けられた制度。政府機関との間で一定額以上の軍需および民生契約を締結した外国事業体に対し、契約額の最大35%相当額の再投資を義務付けたもので、クウェート投資を検討する外国事業体にとっては大きな障壁となっていた。
クウェートへの投資を行う企業や日本を含む各国政府からの要望を受け、2014年7月7日の閣議で同プログラム中止が決定されていたもので、2015年8月31日の閣議であらためて完全撤廃が決定された。
<政府は投資の拡大に期待>
本プログラムは財務省傘下のオフセット公社(NOC)が所管してきたが、2014年5月の閣議において、海外からの投資誘致を行う商工省傘下の直接投資促進庁への移管が決定され、同庁が投資を増やすべく制度の改善を検討してきた。プログラムの撤廃について直接投資促進庁のミシュアル長官は「現在、クウェートではインフラのみならず、あらゆる分野にビジネスニーズが存在する。日本などの海外企業にとって懸念材料となっていた本プログラムの撤廃によって、クウェートへの投資が進むことを期待する」と述べている。
なお、クウェートのビジネス環境については、2013年12月に直接投資促進法(2013年法第116号)が改正され、外資100%での事務所設置が可能になったほか、各種手続きにかかる期間が短縮されることになっている。
(水野光)
(クウェート)
ビジネス短信 f264d1363345cffa