商談会で好感触を得た企業も-ラムドン省農業ワークショップ・ビジネス交流会(5)-

(ベトナム)

ホーチミン事務所

2015年04月30日

 ラムドン省農業ワークショップ・ビジネス交流会2日目のプログラムでは、午前に日本とベトナム双方から参加した企業による自社紹介があり、午後には商談会が行われた。商談会では、「具体的な商談まで話が進んだ」など参加企業から好感触の声が聞かれた。連載の最終回。

<日本の農業協力強化が重要な役割>
 ワークショップ・ビジネス交流会2日目は、松山安男三菱東京UFJ銀行ベトナム総支配人による主催者あいさつで始まった。同氏は「ベトナムの総人口9,000万のうち50%弱が農業関連従事者との統計が出ているが、GDPに占める農林水産業の割合は現在20%程度。ベトナムの今後のさらなる発展のためには農業セクターの改革・振興は必須であり、その実現のためにも日本とベトナムの農業分野における協力強化が重要な役割を果たす。農業分野のビジネスの発展が、ひいては両国の良好な関係を強化する。三菱東京UFJ銀行は、出資先のVietinBankと共に、金融面のサポートだけでなく、日系企業のベトナムにおける農業ビジネスの成功に向けて具体的な支援をする」と述べた。

<ベトナム企業が日本企業を指名して商談>
 日本とベトナムの25社が自社を紹介し、それぞれ自社の事業内容や強み、ニーズなどについてプレゼンテーションを行った。

 午後からは商談会が開かれた。日本側からは農業生産、資機材販売、商社、コンサルティングなど18社が商談会に臨み、ベトナム側からは、コーヒー、花などの生産販売、農産物加工など約50社が商談会に参加した。

 商談会が始まると、ベトナム企業から日本企業を指名し、商談を熱望する声が相次いだ。特にベトナム企業から聞かれた声としては、以下の3点に要約される。

○自分のところで作っている農産物を売り込みたいので商社と商談したい。
○生産(または加工)するための機械を探している。資機材企業と話がしたい。
○日本の技術やノウハウを取り入れたく、日本企業のパートナーを探している。

 希望企業との商談が始まると、自社のパンフレットや商品サンプルを用いて熱心に自社の製品・サービスを説明する姿が見受けられた。

 約3時間半の商談時間の中で行われた商談件数は116件、日本企業1社当たりの平均的な商談件数は6~7件(最大14件)と密度の濃い商談会となった。また、継続してコンタクトを取ると約束した件数も20件あった。

 商談会を終えた日本企業からは以下のコメントが聞かれた。

○相手のニーズに対して当社の取り扱い資機材を提案することができた。
○サンプル・見積もりを送る約束ができた。
○自社の製品に興味のある企業が多く、驚いた。相手先と連絡を取り合いながら開拓していきたい。
○引き合いはあった。しかし、相手の資金ファイナンスや現地情報を確認する必要がある。

<次回以降は対象業種を絞った商談会に>
 今回のような農業関連分野のイベントは、ジェトロとして初めての取り組みだったが、ふたを開けてみれば大盛況の結果となり、参加者からは「オファーが多く驚いた」など好感触を得た声が多かった。今回は「農業関連」と業種を限定せず広い枠組みで企業を集めての開催だったが、次回以降は対象業種などを絞り込むことで、より効果的な商談会とすることができそうだ。

(村松健)

(ベトナム)

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