日本・オーストラリアEPAが1月15日に発効

(日本、オーストラリア)

シドニー事務所

2015年01月13日

日本・オーストラリア経済連携協定(EPA)が1月15日に発効する。今後10年間で両国の貿易額の約95%の関税が撤廃され、特にオーストラリア側では全ての農林水産品、多くの工業品の関税が即時撤廃される。また、日本のEPAでは初めて原産地証明手続きの簡素化のために、自己申告制度が導入される。

<原産地証明手続きに自己申告制度を導入>
日豪EPAは約7年間にわたる交渉を経て2014年4月に大筋で合意し、7月の安倍晋三首相の訪豪の際、署名された(2014年7月10日記事参照)。オーストラリアは日本にとって、輸出では第10位(2013年、1兆6,556億円)、輸入では第3位(4兆9,769億円)であり、投資先国としては第4位(2013年末、5兆7,018億円)となっている。EPAの発効により、今後10年間で両国の貿易額の約95%の関税が撤廃され、特にオーストラリア側では全ての農林水産品、多くの工業品の関税が即時撤廃されるなど、両国の貿易関係が一層深まると期待されている。

同EPAの特徴として、原産地証明手続きの簡素化のため日本で初めて自己申告制度を導入した点が挙げられる。また、オーストラリアのエネルギー・鉱物資源や食料分野については、エネルギー・鉱物資源章に加えて食料供給章によって安定的な関係の重要性を確認するとともに、特定の品目について輸出を制限する措置を導入しないよう努めることを約束し、制限措置を導入する場合でもこれを限定し、また情報提供・協議ができる仕組みが整備される。

<日中韓3ヵ国とのFTA/EPAに期待>
アンドリュー・ロブ貿易・投資相は「日豪EPAは持続的な利益をオーストラリア経済にもたらし、2015年は1月15日、4月1日の2回にわたり関税の撤廃、引き下げが実施される。韓国との自由貿易協定(FTA)のようにオーストラリアの輸出業者には即時に利益がもたらされ、日本市場における競争力が強化される」(プレスリリース2014年12月16日)とし、牛肉の輸出を例に出して関税が15年間かけて段階的に削減されることで、競合相手である米国に対して優位な立場を確保できると指摘とした。

同貿易・投資相は、2014年12月に発効した韓国とのFTA、11月に交渉が妥結した中国とのFTAを含めた北東アジア3ヵ国とのFTA/EPAはオーストラリア経済に変革を促し、経済成長や雇用創出に資するものとなり、国の繁栄や国民の生活水準の向上につながるものになると強調した。

(平木忠義)

(オーストラリア・日本)

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