奨励対象でも法人税減免の恩典のない業種が多数−BOIの新投資促進戦略−

(タイ)

バンコク事務所

2014年12月15日

タイ投資委員会(BOI)は、新投資促進戦略に関する公表資料の英語版をウェブサイトで公開した。新戦略では、幾つかの業種が奨励対象事業から除去されている。また奨励対象であっても、多数の業種が法人税の減免恩典を受けられないことが明らかになっており、投資を検討している企業は留意が必要だ。

添付ファイル: 資料PDFファイル( B)

<法人税減免のないグループBに多数の業種>
BOIは12月11日、タイ語で公表していた新投資促進戦略に関する公表資料の英語版をウェブサイトで公表した。

新戦略では従来の立地場所に基づく基礎的恩典の付与(ゾーン制)が廃止され、業種の重要性に基づく恩典が付与されることになった。投資案件はその業種により、基礎的な恩典として法人税の免除を受けられるグループA(A1〜A4の4段階)と、法人税の免税恩典がないグループB(B1、B2の2段階)に分けられる。さらに、研究開発や高度な技術トレーニングを行う案件には追加的にメリットベースの恩典(最大3年間の法人税免税期間を追加)が導入されることになった。

新戦略では、現行の奨励対象事業から幾つかの業種が外されることは既に明らかにされている(2014年12月10日記事参照)。それに加え、法人税の減免恩典がないグループBに多数の業種が列挙されており、グループBに該当する業種の一部はメリットベースの恩典を追加的に受けることができないことになっている(添付資料参照)。さらに、それ以外のグループBの業種についてもメリットベースの恩典を受けるに当たっては、投資案件の申請と同時に恩典の申請を行わなければならないとの条件もある。なお、グループBの業種でもメリットベースの恩典が受けられれば、最大3年間の法人税減免を受けることは可能となっている。

このほか、現行制度から投資奨励の条件の変更や一部業種の組み替えなども行われている。また、新戦略は2015年1月1日以降の投資申請から適用されることになっているため、投資を検討している企業は留意する必要がある。

なお、BOIは2014年12月22日に、バンコク市内のホテルで日系企業向けの説明会の開催を予定している。

(若松寛)

(タイ)

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