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韓国・ニュージーランドFTA交渉が妥結

(韓国、ニュージーランド)

ソウル事務所

2014年11月20日

韓国政府は11月15日、ニュージーランドとの自由貿易協定(FTA)交渉が妥結したと発表した。FTAが発効するとニュージーランドは7年以内に全品目を、韓国は15年以内に大半の品目を関税撤廃することになる。韓国はタイヤや自動車部品などで恩恵を受けると予想されるが、畜産・酪農などの分野では打撃が見込まれる。

<ヒトの移動や農林水産協力なども明文化>
オーストラリア・ブリスベーンで開催されたG20首脳会議に出席した朴槿恵(パク・クネ)大統領は11月15日、ニュージーランドのジョン・キー首相とともに記者会見を開き、韓国・ニュージーランドFTA交渉が妥結したと宣言した。同FTAは2009年6月に政府間交渉が始まり、9回にわたる公式交渉を経て妥結したもので、韓国政府は包括的な利益の均衡を確保したと評価した。特に物品貿易については、ニュージーランドは7年以内に全ての品目を、韓国は15年以内に大半の品目の関税を撤廃する。韓国政府の発表によると妥結内容は以下のとおり。

○物品分野
ニュージーランド側は輸入額ベースで92.0%を即時に、96.5%を3年以内に、100.0%を7年以内に関税撤廃し、韓国側は48.3%を即時に、76.0%を7年以内に、96.4%を15年以内に関税撤廃する(表参照)。ニュージーランドの即時撤廃品目はタイヤ、洗濯機、蓄電池など、韓国の即時撤廃品目はアルミニウム塊、羊皮、牛皮などだ。韓国は農林水産品について、コメをはじめとした199品目を譲許除外とし、牛肉などのセンシティブ品目については10年超過の長期撤廃スキームを採用した。

韓国・ニュージーランドFTAの物品譲許交渉結果

○サービス・投資分野
両国はこのFTAをベースとしてサービス・投資市場を開放するとし、一部のセンシティブ分野で開放水準を調整した。投資家対国家の紛争解決手続き(ISDS)を導入し、ニュージーランドの投資事前審査制の基準金額を5,000万ニュージーランド・ドル(約46億5,000万円、NZドル、1NZドル=約93円)に引き上げた(注)。

○ヒトの移動
ニュージーランドは韓国人ワーキングホリデーの年間定員を現行の1,800人から3,000人に拡大する。特定の職業(韓国語講師、テコンドー講師など)や専門職従事者(マルチメディアデザイナー、生命工学者など)計200人の一時雇用のための入国を保証する。農畜水産分野では年間50人に教育・訓練のためのビザを発給する。

○農林水産協力
農林水産分野では、両国の強みを共有し、最大化できる協力基盤を準備し、多様なプログラムの履行を約束した。

<工業産品はメリット、牛肉産業には打撃>
韓国の専門家・マスコミは、同FTAについて、工業産品を中心として恩恵を受けると分析している。特に発効後即時に関税が撤廃されるタイヤや洗濯機などと、3年以内に関税が撤廃される自動車部品、貨物車、冷蔵庫などが最も恩恵を受けるとみている。しかし、ニュージーランドが強みを持つ畜産業、酪農業分野は被害が予想される。特に牛肉の場合、ニュージーランドはオーストラリア、米国に次ぐ第3位の輸入国であることから、15年後に関税が撤廃されると国内の関連農業事業者は打撃を受けるとしている(2014年11月20日記事参照)

一方で、同FTAの効果は限定的だとする見方もある。韓国の主力輸出品目であるガソリン(2013年の対ニュージーランド輸出の29.3%)、乗用車(15.8%)、軽油(11.8%)は、既に無関税でニュージーランドに輸出されているためだ。

(注)ニュージーランドは既締結の大半のFTAにおいて、事前投資審査の基準金額を2,000万NZドルに設定している。

〔李海昌(イ・ヘチャン)〕

(韓国・ニュージーランド)

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