WHO、ナイジェリアとセネガルのエボラ出血熱は終息と発表

(セネガル、ナイジェリア)

ラゴス事務所・アビジャン事務所

2014年10月21日

世界保健機関(WHO)は、10月17日にセネガル、10月20日にナイジェリアについて、エボラ出血熱の流行は終息したと発表した。両国とも、国内で最後の感染例が確認されてから最大潜伏期間(21日間)の2倍の42日間、新たな感染例が確認されなかったことを受けたもの。ギニア、シエラレオネ、リベリアの3ヵ国では依然として感染の拡大が懸念され、米国やスペインでも二次感染、三次感染が確認される中、両国はエボラ出血熱の封じ込めに成功した初めての例となった。

<ナイジェリア:影響は軽微、2014年もGDP成長率は6%を上回る見込み>
7月20日に入国したリベリア人がエボラ出血熱を発症したことに端を発する、ナイジェリアにおけるエボラ出血熱の感染は最終的に感染者19人、死亡者7人を出し、終息に至った。

ナイジェリア政府は、8月8日にWHOが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言したことを受けて、同日中に「非常事態宣言」を発令。WHOや米国疫病対策センター(CDC)の支援を受けて、監視・隔離体制の強化、学校などの休暇延長や大規模な集会の自粛呼び掛け、緊急財政措置などの対策を迅速に実行し、感染の拡大を抑えることに成功した。

現在も空港における体温検査などは継続しているが、既に国内の全ての学校は再開されており、経済の中心であるラゴスではビジネス活動は平常に戻っている。

エボラ出血熱の封じ込めに成功したことにより、政府の自信は高まっており、2015年2月に大統領選挙を迎えるジョナサン大統領にとっては絶好の材料となった。オコンジョ・イウェラ財務相は、エボラ出血熱やイスラム過激派組織ボコ・ハラムによるテロの影響はあるものの、2014年のGDP成長率が6%を上回る見通しを示しており、経済への打撃は軽微なものにとどまる見込みだ。

<セネガル:観光に影響の可能性もマクロ経済への打撃は軽微>
セネガルでは、8月13日に入国したギニア人学生がエボラ出血熱の症状を訴え、8月29日に陽性反応が確認されたことで、エボラ出血熱の流行段階に移行していた。政府は、ギニア人学生と接触があった74人を速やかに特定、隔離して監視下に置くとともに、特別予算を計上し、医療体制の強化を図るなど、感染の拡大防止に努めていた。

この学生は回復し、9月18日にはギニアに帰国。その後も国内で感染者と死亡者は確認されていなかったが、引き続き対策を緩めなかったことが感染症の封じ込めにつながった、とWHOは評価している。

他方、セネガルの保健相は、同国がギニアと国境を接していることから、新たな感染者が入国する可能性は今後も否定できないとし、8月21日以降実施しているギニアとの国境閉鎖を継続するとしている。

世界銀行は、セネガルの主要産業の1つである観光業について、旅行者の減少や国際会議の中止などの影響を受け、経済成長率を1ポイント程度押し下げる要因となる恐れがあるとの見方を示している。しかし、同国経済は近年、電気通信、金融、不動産分野が成長を牽引している。特に、電気通信分野では4Gサービスの開始によるモバイルインターネットの需要拡大が見込まれるなど、内需主導の成長が続くとみられ、今回のエボラ出血熱によるマクロ経済への影響は、全体としては軽微なものにとどまると予想される。

(佐藤丈治、山田泰慎)

(ナイジェリア・セネガル)

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