15日以内の滞在は査証取得が不要に−日本、韓国、欧米など10ヵ国が対象−

(カザフスタン)

タシケント事務所

2014年06月24日

カザフスタン外務省は6月13日、10ヵ国の国民を対象に査証(ビザ)の事前取得を一方的に免除することを発表した。1年間の期限付き措置で、15日間を上限として渡航目的を問わず査証免除が行われる。7月15日から施行の見込み。

<1年間の試験運用>
外務省のラピル・ジョシバエフ第1次官は6月13日、報道機関などに対して、日本を含む10ヵ国の国民を対象に査証免除措置を行う決定をしたと発表した。査証を免除する国は米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、アラブ首長国連邦、マレーシア、韓国、日本の10ヵ国。

発表によると、入国ごとに15日間以内であれば公用、商用、観光、トランジットのいずれの渡航目的であっても査証が免除されるが、対象期間中の回数制限については現時点では不明。さらに投資や契約を目的とした渡航の場合は、招待元が手続きを行えば滞在期間を30日間まで延長することも可能。なお、この措置は2014年7月15日から2015年7月15日までの1年間を対象とした試験的なもので、その後についてはこの間の運用実績をみて決める予定だ。

政府は今回の措置を通じて、外国からの投資促進および2017年に開催予定のアスタナ万博を前に観光客誘致を進めたいとしている。今回の措置が発表前日の12日に開催された外国投資家協議会の定期会合でナザルバエフ大統領から外国投資誘致促進措置の一環として表明されたことにも、その意図が表れている。一方、ジョシバエフ第1次官は、今回の措置により対象となる国々との2国間関係の強化を図りつつ、ビザを免除する相手国に対してもカザフスタン国民に対する入国ビザ緩和に向けた交渉を引き続き続けていく、としている。

同国への入国査証取得のためには、これまで査証申請のために1週間ほどパスポートを大使館に提出する必要があった。本措置導入でその必要がなくなること、また、2013年6月以降、数次査証申請においては旅行代理店が発行する招待状ではなく、受け入れ企業が発行するものが義務付けられていたが、今回の措置で15日以内であれば招待状を取り付ける必要がなくなることは、1年間の試験的運用とはいえ頻繁にカザフスタンを訪れる者にとっては非常に朗報といえよう。

ただし、在日カザフスタン大使館によると、発表されたとはいえ本措置の具体的な規則については政府で見直し中のため大使館も把握しておらず、7月初めに明らかになるとみられる、との回答だ。確定までしばらく注意が必要なようだ。

(末廣徹)

(カザフスタン)

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