2億バーツ超の投資案件の審査が停滞−BOIは投資企業に対し電話・メールでの相談を奨励−
バンコク事務所
2014年03月03日
バンコク市内での反政府デモの長期化で新規投資への影響が顕在化しつつある。タイ投資委員会(BOI)によると、2億バーツ(約6億2,000万円、1バーツ=約3.1円)超の大型投資案件を審査する小委員会が開催できず、多くの案件が認可待ちの状態で滞っている。BOIでは現在、大型投資案件を分割して認可申請することなどを奨励しており、その具体的な申請手段につき、電話や電子メールでの相談を受け付けている。
<投資の相談は仮事務所で対応>
外資誘致や投資認可の窓口となるBOIは、1月13日の反政府デモ隊による「バンコク封鎖」以降、交通アクセス面で支障のあるバンコク北部の本部事務所を閉鎖した。そして一部の職員をバンコク市内のワンスタートワンストップ投資センター(OSOS)に移し、投資家への対応を行っている。
コンタクト先は下記のとおり。
18th Floor, Chamchuri Square Building
319 Phayathai Road, Pathumwan
Bangkok 10330, Thailand
Tel:66(0)2 209 1100Fax:66(0)2 209 1199
(この仮事務所におけるセクション別の電話番号および電子メールアドレスについては、BOIウェブサイト参照)
<小型の投資案件の審査も遅れる>
BOIの所管する投資関連業務のうち、政情混乱によって最も大きな支障が出ているのは、2億バーツを超える大型投資案件の審査だ。現状の規定では、2億バーツを超える大型の投資案件については、選出された委員によるBOI小委員会で審査を行い、承認を与えるプロセスが必要となる。しかし、2013年12月の下院解散後、承認権を持つ同委員の選出を行えない状況が続いており、その結果、「100件を超える大型案件の審査が滞る状況が生じている」(BOI担当者)という。また、BOIの内部手続きで承認が可能な2億バーツ以下の案件についても、速やかに審査する方針が示されているものの、担当職員の不在などで作業が遅れている。
BOIは選挙管理委員会に対し、審査委員選出を進めることの可否について判断を仰いだが、選挙管理委員会はBOIに対して、「委員任命および委員会開催の是非を判断する立場ではない」と回答した。これを受けBOIでは、今後の委員選出・委員会開催の判断を法制局に相談しているが、2月27日現在で「法制局において今後の対応方針が審議されている」(BOI担当者)という。自動車業界などを中心に複数の企業が、状況改善に向けた申し入れを行っているものの、委員会再開のめどは立っていない。
現在、BOIでは投資企業に対して、案件によっては投資額を分割(1件の投資額が2億バーツ以下となるよう案件を分ける)して申請するなどのアドバイスを行っている。その具体的な手法などについては、前述の相談窓口で個別に指導している。
<出張見合わせや展示会中止による間接的な影響も>
ジェトロ・バンコク事務所は2月中旬、在バンコクの日系食品メーカーおよび関連メーカー、商社にデモの影響について聞いた。当面のところ、デモによる事業や売り上げへの影響は「ほとんどない」との回答が多く、輸入通関などへの支障も出ていないとの回答が大半を占めた。
他方、タイ国内、とりわけ首都圏向けの生産・販売の一部で、売り上げの落ち込みや物流・配送への影響が出ている。また1月以降、出張見合わせや展示会のキャンセルなどが多数発生しており、今後、間接的な影響(将来的なビジネス機会の喪失など)が広がることを懸念する声も多かった。今後の為替相場の変動を懸念する人も多い。
(若松寛、伊藤博敏)
(タイ)
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