1,928品目が輸入ライセンスの免除対象に −対象品目のHSコードを付けて商業省があらためて発表−

(ミャンマー)

ヤンゴン事務所・アジア大洋州課

2013年09月26日

商業省は9月9日、輸入ライセンスの事前取得が不要となる166品目を、HSコードで詳細に分類し直した1,928品目のリストを発表した。これは、同省が2013年2月末に152品目の輸出ライセンス、166品目の輸入ライセンスの事前取得を免除すると発表したが、免除対象品目にHSコードが付されていなかったため、特に輸入の現場で混乱を招いていたからだ。

添付ファイル: 資料PDFファイル( B)

<現場の混乱を受けてHSコードを付ける>
商業省が2月28日に発表した通達では、輸出入ライセンスの免除対象品目(輸出152品目、輸入166品目)にHSコードが付いていなかったため、特に輸入品の解釈をめぐって現場で大きな混乱が生じていた。混乱回避のため、商業省は輸入166品目をHSコードで分類し直す作業をしていたが、ジェトロは途中経過のリストとして593品目のリストを入手、独自訳として公開していた(2013年8月21日記事参照)。商業省は9月9日、同省通達72号で、当初の輸入166品目を細かくHSコードに落とし込んだ1,928品目のリストを公開した。輸出品152品目については、当初から大きな混乱が発生しなかったため、今回の通達でもHSコード付きのリストは発表されていない。

通達72号には、「前回は商品名のみの発表だったが、実務をスムーズに進めるために今回はHSコード(2012年)を付し、あらためて発表した」と記載されている。また、1,928の輸入品目については、事前ライセンスなしで輸入できること、それ以外の商品については引き続き輸入ライセンスを取得することが必要だ、とあらためて記している。個別品目については、乗用車のタイヤのみ通達本文に特記されているが、HSコード40111000と40112010に分類されるタイヤについては、同通達から90日以内に限り輸入ライセンス申請が免除されるが、それ以後は再び申請が必要になると記載されている。

1,928品目は英語の品目名称、HSコードと併せて公表された(注)。商業省ウェブサイトで通達、リストが閲覧できる(添付資料は同省ウェブサイトからダウンロードしたもの)。

<さらなる免除対象品目の拡大に期待>
ミャンマーでは、外国企業は依然、貿易業に従事することが禁止されているため、輸出入の実務業務はもっぱら地場企業が行っている(製造、サービスを伴う原材料・完成品の輸出入であれば外資も可能)。今回の品目拡大の発表については、ようやく詳細なHSコード付きの品目が発表されたため、現場での混乱は少なくなるのではないか、と産業界は歓迎している。また、日本を含む諸外国からミャンマーに物品を輸出する場合も、今回の発表により輸入ライセンスが免除になる品目なのかどうか確認しやすくなるだろう。今後、さらなる輸出入手続きの緩和に向け、輸出も含め免除対象品目が拡大していくことが期待されている。

(注)「6桁ベースの世界税関機構(WCO)HSコード(HS2012)」と「ASEAN独自分類の2桁を加えた8桁ベースのASEAN共通関税コード(AHTN2012)」、ならびに「AHTNに2桁を加えた10桁ベースのミャンマー独自の関税コード(State Code)」で分類されている。

(水谷俊博、小島英太郎)

(ミャンマー)

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