第2四半期のGDP成長率は前年同期比で7期連続のマイナス

(オランダ)

アムステルダム事務所

2013年09月03日

統計局(CBS)は8月14日、2013年第2四半期の実質GDP成長率を前期比マイナス0.2%、前年同期比マイナス1.8%と発表した。前年同期比では7期連続のマイナス成長となった。同日には、経済政策分析局(CPB)が2013年通年の実質GDP成長率をマイナス1.25%、2014年は0.75%成長と、前回6月の予測(2013年マイナス1.0%、2014年1.0%)よりも厳しい経済見通しを発表し、2013年も2012年に続いてマイナス成長となるのはほぼ確実とみられる。

<個人消費、政府支出とも不振>
CBSによると、個人消費は前年同期比2.4%減で、乗用車のような耐久消費財のみならず、食品・飲料・たばこなどの日用品の消費も減少している。政府消費支出も政府の歳出削減のため、0.5%減となった。

総固定資本形成は前年同期比9.4%減で、第1四半期よりも落ち込み幅がやや小さくなったものの、6期連続のマイナスとなった。財・サービスの輸出は、石油関連製品の輸出が前年の需要急増の反動で急落したこともあり、0.3%減となった。GDPを産業別にみると、医療・福祉と鉱業以外はマイナスとなっているが、落ち込み幅は第1四半期よりも小さくなっている。

就業者の減少は14万7,000人と第1四半期を上回り、1995年に四半期ベースでの集計を開始して以来最大の減少幅となった。就業者数は建築、ビジネスサービス部門をはじめとして全ての分野で減少している。

CPBは、2014年はプラス成長を予測しているが、個人消費は2014年に入ってもマイナスが続くとしている。失業率は2012年の5.3%から2013年には7.0%、2014年には7.5%と悪化を続け、また、財政赤字のGDP比は2012年の4.1%から2013年にはいったん3.0%に改善するが、2014年には3.9%に悪化するとみている。

<歳出削減策を野党など批判>
ヘンク・カンプ経済相(自由民主党)は、今回のCBSとCPBの景気関連データ・予測の発表を受けて、オランダが不況期にあることは認めつつ、ドイツやフランスの景気回復など明るい材料もあるとし、政府は歳出削減などの改革を継続する、と述べた。自由民主党では、内閣が既に発表した60億ユーロの歳出削減は堅持する必要がある、としている。同党と連立で政権を担当する労働党は、雇用状況の悪化を受けて経済刺激策の必要性を訴えている。

一方、野党では社会党が、欧州の周辺諸国の景気が改善に向かう中で、オランダは政府が近視眼的な歳出削減策を続けるために経済情勢の悪化が続いている、と政府を非難している。民主66党(D66)は、経済回復のために、政府は単なる増税ではなく、それ以外の方策を打ち出すべきとしている。

経済専門家の間では、アムステルダム大学のスウェダー・ファン・ワインベルヘン教授が、政府は短期的な歳出削減策でパニックを引き起こしており、労働政策が欠如していると批判し、ティルブルフ大学のシルフェスター・アイフィンハー教授は、政府は住宅市場、労働市場と年金セクターの構造改革に集中すべきだと述べている。

9月17日の国会開会日には、政府予算案も発表される。CPBでは、今回の予測には、今後予想される政府のさらなる歳出削減策の影響は含まれないとしているが、政府が厳しい経済情勢の中でどのようなかじ取りをみせるのか、政策運営が問われている。

(立川雅和)

(オランダ)

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