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米国の州政府で広まる海賊版ソフト利用企業の提訴

(アジア、日本、米国、東南アジア)

バンコク事務所

2013年09月02日

アジアでは、社内で海賊版ソフトウエアを利用する企業が後を絶たない。これに対して、米国では不公正な競争の排除を規定した州法により、州に商品を輸出する一方で違法ソフトを使っている企業を提訴する動きが広まっている。アジア各国で海賊版ソフトの取り締まりが進んでおらず、日系企業もその対象になる可能性がある。

<マサチューセッツ州では1万ドルで和解も>
2012年にマサチューセッツ州司法長官が公表したプレスリリースによると、タイの水産加工会社が海賊版ソフトを利用して、同州に商品を輸出していたことで、同長官は同州の不公正競争に関する法により、同社を提訴していたが、和解が成立した。

このプレスリリースによると、タイのこの会社は海賊版ソフトを用いることで間接費を抑え、それにより不当な競争力、利益を得ていたと認め、1万ドルの支払いと海賊版ソフトの不使用を約束したという。

2013年1月には同様の事例として、カリフォルニア州司法長官が、中国とインドの各アパレルメーカーについて、アパレル商品の製造、輸出に際して海賊版ソフトを利用して競争力を不当に得たとして、カリフォルニア州裁判所に提訴した。

このように米国の各州政府は、社内で海賊版ソフトを利用している企業が州に商品を輸出した場合、厳しい措置を取るようになっている。

<東南アジアの日系企業も注意が必要>
2013年2月、ソフトウエア関連団体がタイのバンコクで、日系の自動車メーカーなどを対象に、「自動車産業とそのサプライチェーンにおける知的財産関連法と公正競争」と題するセミナーを開催した。同セミナーには、日本語の通訳、日本語の資料まで用意されていた。そして、この団体や現地弁護士のほか、パッチマ・タイ知的財産局長ら政府当局者もセミナーに参加し、海賊版ソフトの不使用、知財法制度順守を訴えた。

東南アジアでは知財制度の順守意識がいまだ低い国が多く、海賊版ソフトを使用している企業も少なくないといわれている。またこのような状況は、東南アジアにおける日系企業、日系企業と取引関係を有する現地企業も例外ではない。例えばタイでも毎年、日系企業が海賊版ソフトの使用により現地当局の摘発を少なからず受けているといわれる。

こうした摘発に対して、これまでは当事者間の示談で解決することがほとんどだった。しかし今後、米国へ商品を輸出する企業は社内のソフトウエア管理について、米国の州法による提訴というリスクにも注意する必要がある。

米国政府知財当局関係者はこのほど、「これまで、米国各州の当局は海賊版ソフトを利用し、商品を米国に直接輸出する企業を対象にしてきた。しかし今後は、間接的に米国市場に輸出する企業も対象にする動きがある。そのため、東南アジアのある国で部品を調達、他国でそれを組み立てるような多国籍企業の場合、サプライチェーン全体に対する法令順守に向けた管理がより求められる」と述べた。

(大熊靖夫/アジア知的財産担当)

(東南アジア・米国・日本)

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