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より制限的な利用条件に日系産業界は懸念−動き出す自己証明制度第2パイロットプロジェクト(1)−

(ASEAN、インドネシア、タイ、フィリピン、ラオス)

バンコク事務所

2013年03月06日

ASEAN自由貿易地域(AFTA)における地域自己証明制度の第2パイロットプロジェクト(第2PP)がインドネシア、フィリピン、ラオス、タイの4ヵ国で2013年第2四半期にも運用が開始される。ASEANが2015年に10ヵ国共通の自己証明制度の構築を目指す中、第1・第2PPが同時に運用されることとなる。第2PPの概要を2回に分けて解説する。

<インドネシア、フィリピン、ラオスで別の枠組みを構築>
ASEANはこれまで、主に政府部局が商品の原産性を判定し、原産地証明書(C/O)を発給する「第三者証明制度」を採用してきた。しかし、発給手続きの簡素化と利用の円滑化のため、ASEAN経済共同体(AEC)の下、認定輸出者による「自己証明制度」の導入準備を行ってきた。これは認定輸出者が、自ら作成したインボイスなどの商業上の書類に輸出貨物が原産品である旨の「原産地申告文言」を記入した上で、当該インボイスなどを輸入国側税関に提出、AFTA特恵関税を適用するもの。ただし、利用対象は全ての製造者・輸出者に開かれてはおらず、あらかじめ発給部局がその利用を認めた「認定輸出者」に限定される。

最初に自己証明制度PPの導入に踏み切ったのは、シンガポール、マレーシア、ブルネイの3ヵ国。2010年8月のベトナム・ダナンでのASEAN経済相会議の際に、覚書(MOU)の「地域自己証明制度の実施にかかるパイロットプロジェクト」を締結、同年11月から開始された。2011年10月にはタイも加わっている(2010年12月16日記事12月22日記事参照)。

タイ商務省外国貿易局担当者によると、登録されている認定輸出者は、ブルネイ10社、シンガポール41社、マレーシア100社、タイ69社だ。タイは69社のうち57社が製造業だという。

同プロジェクトに参加していないフィリピン、インドネシア、ラオスの3ヵ国は別の枠組みの自己証明制度PP設立に動いた。2012年8月にカンボジア・シェムリアップで開催されたASEAN経済相会議の機会に3ヵ国は「第2PP」としてその実施にかかるMOUを締結した。タイも第2PPへの参加に関心を示し、2013年2月5日に国会の承認を得て、正式に参入することになった。2015年にはASEAN10ヵ国で統一した自己証明制度の運用が開始される見込みで、第1PPと第2PPとの間で今後、綱引きが激しくなるとみられる。

<日系産業界は第2PP構築の動きを牽制>
2012年春ごろ、「一部の第1PP不参加国が別の枠組みで、より利用制限的な自己証明制度構築に動いている」との情報が流れ、これを懸念した在ASEAN日系産業界は、7月に開催されたASEAN日本人商工会議所連合会(FJCCIA)とASEAN事務局スリン事務総長(当時)との対話でその懸念を伝えていた。具体的には、シンガポール日本人商工会議所の日下清文会頭は「ASEAN統一規則による全加盟国の早期導入に期待する」と話し、インドネシア、フィリピン、ラオスが水面下で進めていた、より制限的な第2PP構築・導入の動きを牽制した。

2013年第2四半期中の開始が見込まれる第2PPは、既存のASEAN物品貿易協定(ATIGA)に付属する「運用上の証明手続き(OCP)」をベースに、認定輸出者自己証明制度に関する事項を加えている。ジェトロは第2PPの利用規則が含まれたMOUおよび24の規則からなる付属書OCPを入手した。基本的には、第1PPでのOCPをベースに一部改変が行われている。

(助川成也)

(ASEAN・タイ・インドネシア・フィリピン・ラオス)

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