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縫製品と履物の関税に従量税を追加−3月から1年間の時限措置−

(コロンビア)

中南米課

2013年01月29日

政府は1月23日、政令74号を公布し、縫製品と履物の関税に従量税を追加して従価税との複合税とした。従来15%だった従価税は10%に引き下げられるが、1キロあるいは1足当たり5ドルの従量税が加わる。アジアからの輸入急増を懸念する国内産業に配慮したもので、3月1日から1年間の時限措置となる。

<低価格品の流入阻止が狙い>
セルヒオ・ディアス・グラナドス商工観光相によると、今回の複合税の導入は、格安の価格で輸入され、国内製品との間に不平等な競争環境を生み出している「技術的な密輸」を抑止することを目的としている。関連業界は官民が一体となって進めている「生産性転換プログラム(PTP)」の枠組みの下で、政府に対して国内産業を保護する措置の導入を求めてきたため、政府はこれに応えたとしている(商工観光相プレスリリース2013年1月23日)。

対象となる品目は、HS61類(ニット衣類)、62類(ニット以外の衣類)、63類(衣類以外の縫製品)と64類(履物および同部分品)だ。HS61〜63類、HS6406項の履物の部分品については、従価税の15%を10%に引き下げ、重量(グロス)1キロ当たり5ドルの従量税を追加する。HS6406項以外のHS64類(履物の完成品)については、従価税10%に1足当たり5ドルの従量税が加わる。

複合税の導入により、輸入申告単価が100ドル未満の商品は従来よりも税額が多くなる一方、100ドル超の商品については従価税率が削減される分、税額が少なくなる(表1参照)。ただし、通関統計をみると、履物については単価が高い革靴(HS6403項)でも2011年の平均輸入単価が1足当たり24.03ドルとなっており、中国産(20.48ドル)はおろか、イタリア産(71.91ドル)でも100ドルには満たない。従って、履物については実質的な関税の引き上げ措置といえる。

表1複合税適用による税額の変化

今回の政令の発効は2013年3月1日で、発効後1年間の時限措置。2014年3月1日以降は従来の税率(2011年の政令4927号が定める税率:従価税15%)に戻る。ディアス・グラナドス商工観光相は、関連業界を保護するための法案を次期国会に提出する予定だとしており(前述のプレスリリース)、今後1年間でより綿密な救済策を導入する考えのようだ。

<アジアからの輸入が急増>
縫製品と履物の輸入通関統計をみると、近年のペソ高の影響もあり、縫製品の輸入額は2011年に前年比63.7%増加し、履物の輸入額は49.5%増加している(表2、表3参照)。特にアジアからの輸入急増が目立ち、中国からは縫製品が86.3%増、履物が74.2%増、ベトナムからは縫製品が約2.2倍、履物が約2.9倍となっている。その他、バングラデシュ、インドネシアなどからの輸入も全体の伸び率を大きく上回って増えている。

表2原産国別縫製品輸入
表3原産国別履物輸入

国家統計局(DANE)によると、繊維縫製産業はコロンビアの重要な産業の1つであり、2011年のGDPの0.9%、製造業GDPの7.0%を占める(履物産業は0.2%、1.6%)。また、繊維縫製産業の輸出額はコロンビア輸出総額の1.9%、製造業輸出の7.0%を占め、スーツやジャケット、下着、リネンなどが主要輸出品目だ(表4参照)。コロンビアには国際的に著名なデザイナーがおり、スーツやジャケットなどは米州のみならず欧州にも輸出されている。2012年に対米自由貿易協定(FTA)が発効し、欧州とのFTAも署名されたため、今後輸出拡大が期待される産業でもある。

表4主要品目別縫製品・履物輸出

繊維縫製産業は相対的に労働集約的な産業なので、雇用における貢献も大きい。コロンビア産業連盟(ANDI)によると、繊維縫製産業の直接雇用者は13万人で、間接雇用の75万人を加えると製造業雇用の約21%に達するという。企業数は繊維分野で約450社、縫製分野で約1万社に及ぶ。繊維縫製産業の主要な集積都市は、メデジン、ボゴタ、カリ、ペレイラ、マニサーレス、バランキージャ、イバゲ、ブカラマンガだ。

繊維縫製業界は、2011年ごろから中国産をはじめとするアジア製品が不当に安い価格で国内に入ってきていると警鐘を鳴らしてきた。今回の暫定措置は業界の声に応えるかたちで、1月22〜24日にメデジンで開催された繊維産業の展示会「第25回コロンビア・テックス(Dolombiatex 2013)」の開会式で、フアン・マヌエル・サントス大統領が発表した。

(中畑貴雄)

(コロンビア)

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