2012年は輸出入ともに微減
中国北アジア課
2013年01月25日
2012年の貿易は、輸出が前年比1.3%減、輸入が0.9%減となった。輸出は品目別には船舶、無線通信機器が、国・地域別にはEU向けが特に不振だった。政府は、2013年の輸出入は世界経済の回復により、緩やかに増加するとみている。
<貿易収支は4年連続の黒字>
関税庁の発表(1月14日)によると、2012年の貿易は輸出が5,481億ドル(前年比1.3%減)、輸入が5,196億ドル(0.9%減)といずれも微減になった。同庁は「世界経済の停滞にもかかわらず、2年連続して輸出入額1兆ドルを達成した」と前向きに評価した。貿易総額はイタリアを抜いて世界第8位になったとみられる、としている。貿易収支は285億ドルの黒字と、4年連続して黒字を記録した。
輸出は、船舶、無線通信機器(携帯電話機など)の減少や、EU経済の不振によるEU向けの大幅減が響いた。
主要品目別に輸出をみると、相対的に堅調だったのが石油製品(前年比9.0%増)、自動車部品(6.6%増)、乗用車(3.6%増)だった(表1参照)。石油製品は輸出数量増とともに原油価格上昇による単価上昇も反映されている。自動車部品は韓国自動車メーカーの海外生産拡大などが輸出増をもたらした。乗用車は米国、CIS諸国向け輸出が堅調だった。一方、不振だったのは船舶(30.1%減)、無線通信機器(14.7%減)だ。船舶は世界的な造船市況の低迷の影響を受けた。無線通信機器は韓国メーカーが生産拠点を国内からベトナムなど海外へシフトしているためだ。知識経済部の発表(2013年1月1日)によると、韓国メーカーのスマートフォンの海外生産比率は、2011年の56.8%(年平均)から、2012年第3四半期には81.1%に急速に上昇している。
国・地域別に輸出をみると、米国向けは乗用車(前年比19.5%増)、自動車部品(12.5%増)、鉄鋼製品(17.3%増)、石油製品(10.9%増)が特に好調で、全体でも4.1%増の585億ドルとなった(表2参照)。なお、関税庁は対米輸出が伸びた理由を「韓米自由貿易協定(FTA)の効果などによる」と総括したが、これには懐疑的な見方もある。公共放送局のKBS(韓国放送)は「2012年3月15日のFTA発効以降、輸出増加率は1.2%にとどまった。4.1%増というのはFTA発効以前も合算したもの」(1月15日)とし、「FTA効果を発効後9ヵ月で判断するのは早急だ。12年初めの輸出の増加は米国の市況が良かったため」との識者の見解を伝えた。最大の輸出先である中国向けは1,343億ドル(0.1%増)と、横ばいだった。半導体などの輸出は増加したものの、鉄鋼製品、機械類などの輸出が不振だった。EU向け輸出は前年比11.4%減の494億ドルと不振だった。船舶、機械類、電子部品の輸出が不振だった。対日輸出は、韓国製スマートフォンの好調な販売を受けて無線通信機器の輸出は前年比17.0%増と好調だったが、半導体(14.1%減)、鉄鋼製品(9.5%減)などの不振で、全体でも前年比2.1%減の389億ドルになった。
<資本財の輸入が減少>
輸入を分野別にみると、最大の輸入品目の原油は、数量増、単価上昇を受けて前年比7.4%増の1,083億ドルとなった。原油に天然ガス、石炭、鉄鋼、木材などを加えた原資材分野全体では0.1%増の3,251億ドルと、ほぼ横ばいだった。資本財分野は、半導体(前年比1.1%減)、機械類(0.6%減)、半導体製造用装置(2.9%減)、ディスプレーパネル製造用装置(58.2%減)などがおしなべて減少し、全体でも4.2%減の1,403億ドルになった。消費財分野は、乗用車・衣類などは輸入が増加、牛肉・豚肉などは輸入が減少し、全体では2.0%増の542億ドルだった。
国・地域別では、原油輸入増により中東からの輸入は前年比7.2%増だったが、中国、米国、日本などからの輸入は減少した(表2参照)。また、国・地域別貿易収支は中東、日本、EUは赤字、中国、米国などは黒字で、全体では285億ドル(前年比23億ドル減)の黒字だった。ちなみに対日貿易赤字は2年連続で減少した。
<2013年は緩やかな増加を予想>
知識経済部は2013年1月1日に13年の輸出入見通しを発表した。それによると、輸出は5,705億ドル(前年比4.1%増)、輸入は5,455億ドル(5.0%増)、貿易黒字は250億ドル(35億ドル減)と予想している。輸出については「世界経済の緩やかな回復により、大部分の品目が前年に比べ増加する。特にIT関連品目、一般機械の輸出は好調の見通し」「対米、対EU輸出は財政危機などにより高い増加率は期待しにくいが、新興国は高い経済成長により堅調な輸出が期待される」とみている。輸入については「国際原油価格は安定的に推移、国内の消費マインドは回復、ウォンの対ドルレートは上昇するとみられ、これらの結果、輸入は緩やかに増加する見通し」としている。
(百本和弘)
(韓国)
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