9月のユーロ圏の失業率、過去最悪の11.6%

(ユーロ圏、EU)

ブリュッセル事務所

2012年11月06日

EU統計局は、EU加盟27ヵ国の2012年9月の失業率(季節調整済み)を前月と同率の10.6%と発表した。ユーロ圏17ヵ国では前月から0.1ポイント悪化の11.6%となり、1999年のユーロ導入以降の最高値をまた更新した。国別では、スペインの失業率が一層悪化しているほか、ギリシャの失業率がスペインにほぼ追い付きつつある。

<EU全体の失業率も上方修正を繰り返しながら悪化>
EU統計局(ユーロスタット)の10月31日発表によると、2012年9月のEU加盟27ヵ国の失業率は前月と同率の10.6%となった(表参照)。しかし、これは8月の数値が前回(10月1日)発表値と比べて0.1ポイント上方修正されたためで、失業率は結果として毎月、少しずつ上昇している。前年同月比では0.8ポイントの上昇となった。

ユーロ圏17ヵ国の9月の失業率は前月比0.1ポイント悪化の11.6%となり、9月もユーロ導入後の最高値を更新した。こちらも前回の発表値と比べて、7月と8月の数値がともに0.1ポイント上方修正されている。前年同月比では1.3ポイント上昇した。

国別にみると、9月の数値が入手できたEU加盟21ヵ国のうち、マルタ(6.6%→6.4%)とスロバキア(14.1%→13.9%)でともに前月比0.2ポイントの改善となったほか、オーストリア(4.5%→4.4%)、ポルトガル(15.8%→15.7%)、リトアニア(13.0%→12.9%)の3ヵ国でともに0.1ポイントの改善がみられた。

他方、キプロス(11.8%→12.2%)で前月比0.4ポイント上昇したほか、スペイン(25.5%→25.8%)で0.3ポイント、イタリア(10.6%→10.8%)で0.2ポイント悪化した。失業率の悪化が続くスペインでは、間もなく26%台に突入する勢いで、若年層(25歳未満)の失業率は54.2%に達しており、歯止めが掛かりそうにない。

EUおよび加盟国の失業率

<加盟国間の格差が一層拡大>
前年同月比でみると、1.8ポイント低下したリトアニアが際立っており、これに0.6ポイント低下したルーマニア、0.4ポイント低下したドイツが続く構図に変化はない。大国の中ではドイツの失業率低下が引き続き目立っている。

他方、キプロス(3.7ポイント上昇)とスペイン(3.4ポイント上昇)で3ポイント超、ポルトガル(2.6ポイント上昇)とイタリア(2.0ポイント上昇)で2ポイント以上の悪化がみられた。ギリシャは2012年7月の数値までしか発表されていないため正確な比較ができないが、2011年7月から2012年7月までの1年間で、失業率が7.3ポイント悪化している。悪化率ではワースト1で、スペインにほぼ拮抗(きっこう)してきた。

EU全体としては、引き続き緩やかな上昇傾向にあるほか、オーストリア(4.4%)、ルクセンブルク(5.2%)、オランダ、ドイツ(ともに5.4%)のように4〜5%台の失業率を維持する国と、スペイン(25.8%)、ギリシャ(25.1%、ただし7月の失業率)のように失業率が25%を超えた国との差は一層広がっている。

(田中晋)

(EU・ユーロ圏)

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