日本からの加工食品の放射線検査廃止−農水産品は継続−

(ベトナム、日本)

ハノイ発

2012年07月11日

日本からの輸入農水産品と加工食品の放射線検査のうち、加工食品の検査が7月2日から廃止された。農水産品の検査は引き続き行われる。

<日本における厳しい基準の採用を評価>
この措置は日本政府の要請により、保健省食品安全衛生局が7月2日付オフィシャルレター1080/ATTP−DKCN号を規定、同日から施行された。2011年3月以降、日本からの農水産品と加工食品に対して放射線安全証明書を求めていたが、日本では証明書は発行できないため、暫定措置として放射線検査が実施されていた。

これまでの放射線検査は以下のとおり。

[農水産品]
管轄:農業農村開発省農林水産品質管理局
a.福島、茨城、栃木の3県は100%検査
b.その他の県は20%のサンプル検査(全ロットの20%をサンプル検査)
ともに1ロット当たり1サンプル採取する。最低数量は1サンプル当たり1キログラム。

[加工食品]
管轄:保健省食品衛生安全局
a.福島県と茨城県は100%サンプル検査
b.上記2県以外の都道府県は20%のサンプル検査

今回、上記のうち加工食品の検査が廃止された。日本政府が食品中の放射性物質検査の新基準値を発表し、安全な食品しか市場に流通しないようにしたことを評価した。

ベトナム政府側は基本的に放射能汚染の問題が発生しない限り、日本からの農水産品と加工食品の輸入を認めていたが、放射線検査に7〜10日かかるため、日本からの農水産品や加工食品を取り扱う輸入商社などにとって頭の痛い問題だった。

加工食品への検査廃止はベトナムで日本食材を取り扱う業者にとっては朗報といえ、今後、日本からの加工食品の輸入が増えることが期待される。

(佐藤進)

(ベトナム・日本)

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