南西部では新型インフル感染者が大幅に減少−日系企業の出張制限は緩和−

(米国)

ロサンゼルス発

2009年06月10日

米国疾病対策センター(CDC)とWHOが共同で実施した週ごとの感染者数の調査によると、カリフォルニア州を中心とする南西部では感染者数の大幅な減少が明らかになった。また、5月末以降、日系企業の出張規制にも緩和の兆しがみられる。全米レベルでは感染者数の減少傾向は確認されなかった。

<全米では減少傾向確認されず>
CDCはWHOと共同で、国内各地域のインフルエンザ感染者数を調査し、その動きを週ごとにCDCのウェブサイトで公表している(注)。同サイトでは、週ごとにインフルエンザの種類別〔A型(H1)、A型(H3)、B型など〕の感染者数を公表しており、新型インフルエンザ〔A型(H1N1)〕については、H1N1ウイルスの検体による検査が可能となった4月26日〜5月2日の週以降、感染者数を集計している。

CDCの公表資料に基づき、A型(H1N1)に分類される感染者数と4月下旬以降の感染者の相当数がH1N1と推測されるA型(不明)の感染者数の推移を図1にまとめた。全米レベルでは、A型(H1N1)とA型(不明)の感染者数の合計が、4月26日〜5月2日の週以降は毎週1,000人を超え、5月最終週の感染者数(6月3日更新)も依然として1,800人を超えており、感染者数の減少傾向は確認されなかった。

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<南西部では感染者数が大幅に減少>
CDCはほかにも、米国を10地域に分けて、それぞれの地域ごとの感染者数も公表している。地域ごとに感染者数の推移は大きく異なっており、東海岸や中西部では感染者数の減少傾向は確認されていないが、西海岸や南部では減少傾向がみられる。

図2に南西部(カリフォルニア州、アリゾナ州、ネバタ州、ハワイ州)でのA型(H1N1)とA型(不明)の感染者数の推移を示した。5月3〜9日のピーク時には、2分類の合計が600人を超えていたが、その後大幅に減少し、5月最終週には36人まで減った。

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<出張の予約が回復>
ロサンゼルス地域の日系企業の多くが、新型インフルエンザを受けて手洗いの徹底などの感染予防対策を講じているほか、企業によってはメキシコや米国内の出張を自粛するなどの措置を続けてきた。

しかし、出張については、ビジネスへの影響を考慮し、制限を緩和する動きもある。ロサンゼルスの旅行関連企業関係者によると、4月末から5月上旬にかけては企業の出張はキャンセルばかりで新規予約はほとんどない状況だったが、5月末以降は出張予約が戻りつつあるという。

(注)この調査は、新型インフルエンザの発生前から、季節性インフルエンザの流行状況を把握するために実施されている。

(水谷剛、Sachie Vermeiren)

(米国)

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