2018年GDP成長率予測値を0.2ポイント下方修正

(ペルー)

リマ発

2018年05月07日

ペルー中央準備銀行(BCR)は「インフレ・レポート:マクロ経済の現状と見通し2018-2019」を発表(2018年3月)し、2018年のGDP成長率を4.0%と予測。2017年末の見通し値から0.2ポイントの下方修正となった(添付資料の表1参照)。

前大統領の辞任に伴う社会不安の影響を受けた民間消費と民間投資がそれぞれ0.1ポイント減、1.0ポイント減と下方修正されたことが主な要因だ。なお、公的支出と公的投資は逆に0.4ポイント増、1.7ポイント増と上方修正された。特にエルニーニョ現象の影響による豪雨によって災害を受けたインフラの復興工事や、2019年7~8月にペルーで開催される第18回パンアメリカン競技大会用のインフラ整備の投資がGDPを牽引すると見込む。

産業別では鉄鉱業が2.4%増、銅カソードを中心とする基礎的製造業については前年比9.9%増を、水産業は23.5%増を見込む(添付資料の表2参照)。水産業は最大品目の魚粉の原料となるカタクチイワシの漁獲枠が拡大されたことが大きい。これら主要品目は輸出拡大も見込まれている。

有識者は4%以上の成長が必要とコメント

IMF発表による2018年のペルーのGDP成長率は3.7%(4月17日時点)と1月時点の4.0%から0.3ポイント下方修正された。ただし、中南米カリブ諸国全体の平均は2.0%で、ペルーの成長率は同平均を大きく上回っている。

一方、フォーカスエコノミクスは、民間シンクタンクや金融機関など全28機関による2018年のペルーのGDP成長率の見通しを2.9~4.1%とし、平均値は3.6%と見込んでいる。

リマ商工会議所(CCL)の経済企業開発研究所(IEDEP)セサール・ペニャランダ所長によると、貧困率が21%と高いペルーでは、正規の就労や家計収入の増加を達成するには最低でも4%以上の成長が必要で、ひいては2000年代の平均成長率6.5%程度の成長を目指すべきだと指摘する。

(藤本雅之)

(ペルー)

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