第1四半期実質GDP成長率、前年同期比1.2%とプラスを維持

(ブラジル)

サンパウロ発

2018年06月04日

ブラジル地理統計院(IBGE)は5月30日、2018年第1四半期の実質GDP成長率が前年同期比1.2%、前期比0.4%と発表した(表参照)。国内経済は回復基調が続いている。

表 四半期別と通年の実質GDP成長率〔前年(同期)比〕

産業別に前年同期比でみると、大項目のうち農畜産業は2.6%減とマイナスに転じたが、工業は1.6%増、サービス業1.5%増と2017年第3四半期以降プラス成長が続いている。

工業では、製造業が4.0%増と成長を牽引した。自動車産業が国内生産の回復で改善している。全国自動車製造業者協会(Anfavea)によると、前年同期比で自動車販売台数(15.6%増)と生産台数(14.6%増)はともに伸びている。輸出も、全体の7割以上を占めるアルゼンチン向けが好調だった。

サービス業では、情報・サービス(3.3%減)以外は全ての項目でプラスだった。商業が4.5%増と牽引し、続いて運輸・倉庫・郵便と不動産(賃貸業含む)がそれぞれ2.8%増加した。

需要要素別にみると、政府消費支出(0.8%減)以外はプラスになった。財・サービス輸出(6.0%増)も押し上げ要因となった。総固定資本形成は3.5%増で、GDPの6割を占める個人消費支出が2.8%増となったことも景気回復を裏付けたかたちだ。

景気後退前の2011年第1四半期の段階まで回復

IBGEマネジャーのクラウジア・ジオニズモ氏は「経済情勢は、2011年第1四半期、つまり国内経済が低迷する前の段階まで戻ってきている」(「アジェンシア・ブラジル」紙5月30日)と、ブラジル経済が本格的な回復基調にあることを強調した。

(辻本希世)

(ブラジル)

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