知的財産ニュース 地域経済を活性化させる「地域の知的財産」の成功の秘訣を公開

2026年7月8日
出所: 韓国知識財産処

- 知識財産委員会、IPRXに向けた知的財産に基づく地域経済革新の専門家懇談会を開催 –


地方消滅という深刻な危機を乗り越える魔法の鍵として、「知的財産」が急浮上している。大統領直属の国家知識財産委員会(委員長 イ・グァンヒョン、以下「知財委」)は、7月8日 (水曜)14時00分、韓国知識財産センター(ソウル市江南区)にて、イ・チュンム知識財産戦略企画団長の主宰により、知的財産に基づく地域経済革新の専門家懇談会を開催し、地域資産を高付加価値の知的財産(IP)へと大転換させる「IPRX(Intellectual Property Regional Transformation)」事業の本格的な始動を宣言する。今回の懇談会は、地域固有の資源を自生的な経済革新エコシステムへと昇華させるための本格的な出発点となる。

今回の専門家懇談会には、国家知識財産委員会、韓国知識財産処、行政安全部、中小ベンチャー企業部などの関係省庁や、韓国発明振興会、韓国創業保育協会、地域知識財産センター、小規模事業者市場振興公団、地域文化振興院などの公共機関、知的財産金融の専門家、弁理士、ローカル企業・地域価値創出者・小規模事業者の代表など、民間専門家の合計27名が出席する。

韓国知識財産研究院のチョン・チャンシクセンター長は、特許資料を通して、非首都圏の力強い反発と産業地形の劇的な変化を示す。今年、5極3特の圏域における特許出願総数(2026年5月)は52,345件で、前年同期比14.0%増加した。絶対規模では首都圏(39,836件)が大きかったが、成長率は大慶圏(+27.5%)、東南圏(+21.9%)、湖南圏(+19.8%)など非首都圏が首都圏(+12.8%)を圧倒し、地域経済の新たなエンジンとして台頭した。産業別では、首都圏が半導体などのハードウェアを主導する中、全ての圏域にわたり金融技術・電子商取引関連の「サービス業特許」が爆発的に増加した。東南圏の小売業(+1,480%)、中部圏の専門サービス業(+460%)、首都圏の金融サービス業(+352%)の躍進が代表的である。このような成長は、地域ごとの先導企業や高成長企業が牽引している。首都圏のテラプラットフォーム(+14,300%)を筆頭に、中部圏のエコプロBM(+360%)、大慶圏のポスコホールディングス(+733%)、東南圏のハンファエアロスペース(+69.0%)、湖南圏のビナテック(+275%)、 江原・済州圏のサムスンメディソン(+47.8%)など、各地域を代表する企業が革新を牽引している。

知識財産委員会のイ・ソンウ課長は、(1)淳昌(スンチャン)のコチュジャン・宝城(ボソン)の緑茶・義城(ウィソン)のニンニクなど、地域コミュニティと大手企業の共生協力モデル、(2)鎮安(チナン)の紅参・横城(ホンソン)の韓牛など、プレミアム証明・認証モデル、(3)宝城の緑茶畑・利川(イチョン)のイエスパーク(藝’S PARK)など、第6次産業の融合型ツーリズムモデル、 (4)新安・舒川(ソチョン)・海苔の国際食品規格(コーデックス)先行取得モデル、(5)大田(テジョン)・誠心堂(ソンシムダン)×クムドリなど都市型ファンダム・ブランディングモデル、(6)錦山(クムサン)・高麗人参・永東(ヨンドン)・ワインなど研究開発基盤の高度化モデルに至るまで、6つの類型別の成功事例と限界を分析する。特に、地域ブランドの認知度は高いものの、他の地域・輸入原料への依存により収益が地域に還元されない「名ばかりの特産品」という現象を指摘し、原産地表示の義務化や利益共有制の導入、さらに、地元の知的財産を住民の持続的な収入源とする「知的財産村年金・個人年金」など、地域経済の収益構造を革新する方策を提示する。
韓国発明振興会のカン・ジェグ責任専門委員は、路地裏の商店街や伝統市場に知的財産が導入された際に起こる、まるで魔法のような奇跡を紹介する。1957年から3代にわたり続く仁川の老舗「チョンドンジプ」は、商標やパッケージデザイン、「アンコウのプルコギの調理法特許」など、総合的な知的財産パッケージの支援を受けた後、地元の食堂から、調理セットや冷凍食品を製造・輸出する企業へと生まれ変わった。その結果、支援前の4.1億ウォンだった売上高が一気に28.2億ウォンへと7倍近く急増し、地域の中小事業者の成功モデルとなった。また、水原の「北水原市場」は、水原の玄関口という独自の歴史性を共同ブランドとデザイン権で強力に保護し、これを地域大学(水原女子大学)との産学連携にまで拡大することで、古びた市場に若者たちが集まる人気スポットへと進化した革新的な事例を残した。
最後に、済州大学のイ・ジェホン教授は、約2万件の済州地域の商標出願ビッグデータで、済州の生存戦略の進化を分析する。済州の商標は、加工食品(第29類)から宿泊・外食(第43類)の時代を経て、2023年以降は流通・広告(第35類)が史上初めて1位を占め、完全なオンライン流通取引プラットフォームのエコシステムへと体質を改善した。特に、商品性に欠けるとして廃棄されていた済州・シンレリ産の柑橘が、韓国政府の国有特許である「柑橘酒の製造方法」と結びつき、モンドセレクションの金賞と銀賞を総なめにした高級蒸留酒「ミサン25」と「シンレミョンジュ」として生まれ変わった事例は、地域資源の高付加価値化の白眉として挙げられている。イ教授は、こうした郷土の知的財産を、カカオや済州神話ワールドなど、巨大な取引プラットフォームの専門性を備えた先導企業と連携させ、国際的に拡散させるビジネスモデルを強く提唱する予定だ。
イ・チュンム知識財産戦略企画団長氏は、「地域が持つ固有の資源を高付加価値の知的財産へと転換することは、地方消滅の時代に地域経済を活性化させる新たな解決策だ」とし、「今回の懇談会で議論された現場の声をもとに、地域資源の知的財産大転換(IPRX)に向けた政策案を具体化していく計画だ」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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