知的財産ニュース 職務発明に関する規制を撤廃し、企業への優遇措置を強化する

2026年6月25日
出所: 韓国知識財産処

▲ 大学・公的研究機関の未活用・放棄特許の研究者への返還手続きを簡素化、権利移転時点を統一

▲ 知的財産支援事業において、産業部・中企部の研究開発に対する職務発明制度導入企業の優遇を拡大

▲ 大学・公的研究機関と企業が共同所有する知的財産の収益分配を促進、紛争解決のための「職権調停制度」を導入


韓国知識財産処(キム・ヨンソン処長)は、6月25日(木)午前10時、政府ソウル庁舎で開催された「第41回国家知識財産委員会」において、研究者の創造的な研究活動を促進し、技術革新を加速化するための「職務発明制度の改善および活性化策(案)」を発表した。

職務発明制度は、研究者・従業員が開発した技術を企業や大学などに安定的に承継して資産化し、これに対する正当な報酬で優秀な人材を確保するための中核制度である。しかし、これまで制度が複雑であったため研究現場に混乱が生じており、運営上の困難や導入企業に対するインセンティブの不足などにより、中小企業の制度導入率は5.1%程度にとどまるなど、制度の活性化には限界があった。

韓国政府はこうした問題を解決するため、大学・公的研究機関や企業など研究現場の声を取り入れ、①大学・公的研究機関の規制の合理化、②民間企業へのインセンティブの拡大、③職務発明の共生基盤の整備という3大戦略と10の重点課題を策定した。

戦略① 大学・公的研究機関の職務発明特許規制の合理化


まず、大学や公的研究機関(公研)における深刻な行政力負担を防ぐため、放棄特許の返還手続きを簡素化する。従来はすべての研究者に個別に通知しなければならなかったが、今後は連絡先が登録されている研究者を中心に通知義務を効率化する。また、発明振興法と特許法間の権利移転時期の不一致となっていた問題を特許法基準に統一し、法的な混乱を解消する。

併せて、技術料の使用に関する自律性を大幅に強化する。研究者および事業化担当人材に対する統合的な報酬や知的財産関連費用の自律的な配分範囲を広げ、積極的な技術事業化を誘導する。

戦略② 民間企業における職務発明制度の導入に対するインセンティブの拡大


企業の制度導入を促進するため、政府支援事業の優遇措置を大幅に拡大する。知的財産権連携研究開発戦略支援事業(IP-R&D)など、知的財産関連支援事業の優遇対象を現行の6件から2027年までに20件以上に増やし、産業部・中企部の研究開発事業において課題選定時に加点を付与するなど、「優遇分野」を新設する。

企業の負担を軽減するため、「職務発明報奨優秀企業認証*」の有効期間を3年から4年に延長し、職務発明制度に関するアドバイスを単なる1回限りの支援から脱却し、制度導入前後を網羅する「全ライフサイクル段階別助言」へと改善する。
* 認証企業の優遇措置:優先審査(優先審査決定後、約2ヶ月(+a)以内に審査結果を提供)、4~9年目の登録料をさらに20%減免(中堅企業30%、中小企業50%の減免に加え、追加減免)などを提供

戦略③(基盤施設)研究者・大学・公的研究機関・企業間の職務発明における共生基盤の構築


大学・公的機関と企業が共同で所有する知的財産の収益化の問題を解決するため、企業の収益を分配してもらえる事前協定を締結するための根拠を設け、法的検討や交渉も支援する。また、起業を予定している研究者や教員に対しては、使用権契約の条件を緩和するなど、起業を支援する法的基盤も強化する。

特に、研究者と企業間の報酬をめぐる紛争を迅速に解決するため、産業財産権紛争調停委員会に「職権調停制度」を導入する。これは、当事者間の合意が困難な場合、紛争調停機関が直接調停案を提示する制度であり、不必要な法的紛争を減らし、円満な合意を導き出すための重要な仕組みとなる見通しだ。

知識財産処は、今回の案を実行するため、2026年下半期から関連法令の改正を本格的に推進し、2027年からは中小企業の職務発明導入の普及に向けたカスタマイズ型のアドバイスやインセンティブを強化していく計画だ。

韓国知識財産処のキム・ヨンソン処長は、「今回の対策は、研究者の創造的な努力が正当な補償につながり、それが再び産業の技術革新へと結びつく好循環構造を構築することに焦点を当てた」とし、「現場中心の政策支援で、先端産業の国家競争力を一段と高めていく」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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