第46回「アジア経済研究所発展途上国研究奨励賞」（2025年度） 表彰作品決定について

2025年06月17日

ジェトロ・アジア経済研究所（IDE-JETRO、所長：木村福成）は、2023年10月～2024年9月の1年間に公刊された研究書（英文書籍は2024年）で、開発途上国・地域の経済、政治、社会などの諸問題を調査、分析した書籍29点の中から次の2点を「アジア経済研究所発展途上国研究奨励賞」表彰作品として決定しました。

「アジア経済研究所発展途上国研究奨励賞」は、開発途上国・新興国または地域に関する我が国の調査研究水準の向上と研究奨励に資することを目的として、1980年度に創設し、今回で46回目の表彰です。２９点は個人・出版社等から推薦されたもので、竹中千春立教大学法学部元教授を委員長とする選考委員会が選考し、ジェトロ・アジア経済研究所が決定しました。
なお、表彰式を7月1日（火曜）14時00分より開催し、受賞者による講演を行います。

向山 直佑 著 『Fueling Sovereignty : Colonial Oil and the Creation of Unlikely States』 （Cambridge University Press）

European colonialism was often driven by the pursuit of natural resources, and the resulting colonization and decolonization processes have had a profound impact on the formation of the majority of sovereign states that exist today. But how exactly have natural resources influenced the creation of formerly colonized states? And would the world map of sovereign states look significantly different if not for these resources? These questions are at the heart of Fueling Sovereignty, which focuses primarily on oil as the most significant natural resource of the modern era. Naosuke Mukoyama provides a compelling analysis of how colonial oil politics contributed to the creation of some of the world's most “unlikely” states. Drawing on extensive archival sources on Brunei, Qatar and Bahrain, he sheds light on how some small colonial entities achieved independence despite their inclusion in a merger project promoted by the metropole and regional powers.

周 俊 著 『中国共産党の神経系――情報システムの起源・構造・機能』（名古屋大学出版会）

秘密主義のベールを乗り越える ——。毛沢東ら共産党中枢は、全知の支配者でも無知な指導者でもなかった。社会の実態を掴むべく形作られた制度はどのように作動したのか。今日にも通底する、一党支配下の情報収集・利用のあり方を膨大な史料により解明、中国政治の理解を一新する。

単行書 29点（重複分等除く）

（以上50音順）

詳しい情報はアジア経済研究所発展途上国研究奨励賞ウェブサイトをご覧ください