お知らせ・記者発表
第18回 ASEAN事務総長とASEAN日本人商工会議所連合会(FJCCIA)との対話を開催 ―未来に向けた「日ASEAN共創パートナーシップ」の深化―
2026年09月18日
ASEAN日本人商工会議所連合会(FJCCIA)は9月18日、フィリピン・マニラにおいて、カオ・キムホンASEAN事務総長と対話を行いました。米中対立の深刻化によるハイテク分野の供給網分断や中東情勢の緊張に伴う物流混乱など、「恒久的な混乱(Permanent Disruption)」とも呼ばれる不確実性が高まる中、今後の日ASEANの連携強化について議論しました。対話には、今年FJCCIA議長を務めるフィリピン日本商工会議所の代表者らが参加しました。
FJCCIAは、ASEANが「AECブループリント2025」を高い達成率で完遂し、次の20年を見据えた長期指針「ASEAN共同体ビジョン2045(ACV 2045)」へと踏み出す歴史的な転換点にあることを踏まえ、その実現に向けてASEANと共に取り組むべき要素を中心に提言を行いました。具体的には、「サプライチェーンの高度化と『連結性』の強化(柱1)」、「グリーン経済(GX)と持続可能な産業基盤の構築(柱2)」、「デジタル経済・イノベーションとAIガバナンス(柱3)」、「包摂的な成長と人的連結性の高度化(柱4)」という4つの柱に沿う形で提言をしました。制度面・デジタル面を含む連結性の高度化、脱炭素と広域電力網の整備、信頼ある自由なデータ流通(DFFT)の確立、高度人材の域内移動の円滑化など、幅広い分野で連携することで、ASEANの競争力強化に貢献したいと考えています。
FJCCIAは本年、加盟企業を対象に「FJCCIAアンケート2026」を実施しました(有効回答数:1,041社)。回答企業の約77%が所在国以外のASEAN加盟国との間で生産分業や輸出入、拠点間連携を行っており、48%が「5年前と比較してASEAN拠点の戦略的重要性はさらに高まった」、52%が投資拡大を実施(検討)と回答しました。また、約63%が地場企業と提携し、81%が現地人材を経営・部門責任者レベルに登用しています。日ASEAN包括的経済連携(AJCEP)の改定を求める企業は9割を超えました。日系企業は単なる外部投資家ではなく、地域社会に根ざした「ASEAN市民(ASEAN Citizen)」として、2045年の繁栄をASEANと共に築き上げることを目指します。
なお、対話には、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)の渡辺哲也事務総長や経済産業省の代表にもご出席いただきました。日本貿易振興機構(JETRO)は、ASEAN進出日系企業とASEAN事務局、各ステークホルダーの仲介役として、対話の場をコーディネートしました。
ジェトロは本対話の枠組みが開始して以来、運営を支援しています。片岡進副理事長は、恒常的な混乱とも呼べる時代だからこそ信頼できるパートナーであるASEANの重要性が増していると述べ、今後の協力の方向性とジェトロの取組として、「サプライチェーンの強靱化と多元化」「グリーン分野での協力」「AI・デジタルを含むイノベーションでの協力」「インクルーシブ成長」の4点を紹介しました。また、片岡副理事長は、日ASEANの共創を推進する具体的なジェトロの取り組みとして、「ASEAN-Japanファストトラック・ピッチ」や、日ASEANの有望な若手経営層が、双方の強みや課題を共有し合う場の提供にも言及しました。
今次対話はASEAN経済大臣関連会合にあわせて、フィリピン・マニラにおいて、対面で実施しました。FJCCIAはASEAN10カ国の日本人商工会議所会員により構成され、2026年8月現在の会員数は7,420社に達する、ASEAN域内最大の連合組織です。2008年から年に一度、ASEAN事務総長との対話を続けています。
ASEAN事務総長への要望・提案(英語
(377KB) 日本語
(1.5MB))
-
ジェトロ調査部アジア大洋州課(担当:安長)
Tel:+81-3-3582-5179ジェトロ・バンコク事務所(担当:藪)
Tel:+66-2-2536441ジェトロ・ジャカルタ事務所(担当:大滝)
Tel:+62-21-5200264



