欧州最大級のバイオ創薬分野ビジネスマッチングイベント「Bio Europe」で日独バイオ経済交流を促進

2022年10月

ジェトロは、2022年10月24～26日の三日間にわたり、ドイツ（ライプチヒ市）で開催された欧州最大級のバイオ創薬分野のビジネスマッチングイベントである「Bio Europe」に5年ぶりにリアル参加し、日本のバイオ関連企業・研究所・団体やスタートアップ企業を含む25社（うち14社がリアル出展）が商談を行いました。

会期初日の10月24日にはジェトロが「Partnering Workshop」を主催しました。冒頭で青山ジェトロ理事はドイツの主要製薬メーカーに対し、日本政府の成長戦略の下、ジェトロは日本企業の海外展開支援と対日投資促進、日本のスタートアップ企業と海外の企業やアカデミアとの連携支援に取り組んでおり、バイオ分野における両国企業間の協業・連携の進展を期待すると述べました。続いて、ベーリンガー・インゲンハイム社、メルク社などドイツの大手製薬企業や研究機関がリバースピッチを実施し、その後のネットワーキングでは日本の19社・団体社と活発に交流しました。

同日午後にはBio Europe 国際フォーラムで「日本セッション」が開催されました。ジェトロの青山理事は冒頭挨拶で、日本のバイオ製薬分野でのイノベーションを進めるため、(1)対日投資促進事業を通じた日本各地のバイオクラスターの認知度向上と（2）日本のバイオ分野のスタートアップ企業の海外展開支援をジェトロとして積極的に推進しており、日本国内での大学や研究機関との連携にも取り組んでいるとして、本分野での日本のスタートアップ企業との連携を希望する場合は、まずジェトロにコンタクトして欲しいと述べました。セッションでは、日本のバイオクラスターとして、Greater Tokyo Biocommunity（GTB）、バイオコミュニティ関西（Biock）、ひろしま好きじゃけんコンソ―シアムの3団体の代表が各クラスターの概要を紹介するプレゼンテーションを行い、約50名が聴講しました。

今回、Bio Europeで併催された2つのイベントについて、参加した日本企業・団体などからは、ドイツや欧州企業・団体・研究機関などとのネットワーク形成、また3地域のバイオクラスターのエコシステムの紹介という2つの面で成果があったと評価する声が聞かれました。

ジェトロは2021年12月に、日独交流160周年を契機として、ドイツ貿易・投資振興機関（GTAI）との間で「日独イノベーション・イニシアティブ160」を発足しました。また、ドイツ国内の州や都市が、日本の都市との間で経済交流を深めるなど、日独間では地域レベルでも経済関係が強まっています。

青山理事は、上記イベントとは別に、ザクセン州の経済振興団体やライプチヒ市の幹部などとも会談し、ドイツ側からはバイオ分野を含む地域レベルでの二国間経済交流拡大に期待する声が寄せられました。

ザクセン州経済振興公社からは、「日独イノベーション・イニシアティブ160」やジェトロ のRIT事業（地域間交流支援事業）を通じた山形県との有機ELプロジェクトなどを契機に日本企業との連携を深めていきたいとするコメントが寄せられました。加えて、ライプチヒ市のシュルケ副市長や、Bio Saxony（ザクセン州のバイオテクノロジー、医療技術、ヘルスケア産業のクラスター団体）のホフマン副会長は、今回のBio Europeにジェトロが日本のバイオ関連企業・団体などを取りまとめて参加したことで、バイオ産業分野での日独経済交流が進展したと評価しました。

ジェトロは、今回のBio Europe参加で得られた成果をもとに、日本の中小企業やスタートアップ企業とドイツの企業や研究機関との協業・連携を具体的に支援する取り組みを継続します。

※ジャパンセッションでの日本のバイオクラスターの講演の動画は以下からご覧ください。