株式会社新丸正

香味油で扉を開き、鰹節で広げる。焼津の老舗が描いた輸出再成長戦略

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輸出品目:
香味油、だしパック、鰹節、同各種加工品
おもな輸出先:
米国、香港、台湾、シンガポール、フランス、スペイン
活用サービス:
輸出プロモーター事業(農林水産物・食品分野)
支援期間:
2022年度~2025年度

鰹節(荒節)

ニッチ市場を突破口に輸出を再開。差別化商品と地域密着型販促で米国市場を開拓

サービスご利用の背景

新株式会社新丸正は、静岡県焼津市に本社を置く老舗鰹節メーカーである。
長年にわたり鰹節および関連加工品の製造・販売を手掛けてきたが、輸出担当者の退職を機に海外事業は一時停滞していた。コロナ禍を経て、新たな輸出担当者を配置し、海外ビジネスの再始動を決断した。
しかし、主力商品の削り節市場は国内外ともに大手メーカーの存在感が大きく、後発で販路を拡大することは容易ではなかった。
そこで同社は、「何を売るか」から輸出戦略を見直すこととし、ジェトロの「輸出プロモーター」事業を活用しながら、差別化商品を軸とした新たな海外展開に取り組んだ。

取組・支援

ニッチ市場を狙った差別化商品を開発
輸出プロモーター(専門家)との議論を重ねる中で、同社は既存市場での競争ではなく、新たな市場の創出を目指した。
着目したのは、米国企業から製造要請を受けていた「香味油」である。
同社は従来の「黒マー油」に加え、鰹節や煮干を活用した魚系香味油、さらに長年培った燻製技術を応用した「燻製玉ねぎ油」「焦がしニンニク油」などの商品を開発。鰹節メーカーならではの商品ラインアップを構築した。
この香味油を入口商品として市場へ参入し、その後に鰹節やだしパックなどの主力商品を提案する戦略を採用した。
地方都市への集中販促で販路を拡大
販路開拓においては、輸出プロモーターの同行支援のもと、米国企業と連携した営業活動を展開した。
ロサンゼルスやニューヨークを起点に、シカゴ・ダラス・ヒューストン・マイアミ・アトランタ・ボストン・ワシントンD.C.・サクラメントなど、日本食市場が成長段階にある地方都市へ重点的にアプローチした。
競争が激しい大都市だけに依存せず、有望市場へ深く入り込む戦略により、現地顧客との取引関係を構築し、着実な販路拡大につなげた。
香味油を起点に主力商品の販売を拡大
香味油によって新たな顧客との接点を獲得した同社は、その関係を活用して鰹節やだしパックなどの主力商品の提案を進めた。
単品販売ではなく、複数商品の提案を行うことで顧客との取引を深化させ、継続的な販売基盤を構築した。
また、販促資料やパンフレットの改善を繰り返しながら、商品の特徴や活用方法を分かりやすく伝える工夫も継続。輸出プロモーターによる伴走支援のもと、商談からフォローアップまで一貫した営業活動を展開した。

成果・展望

こうした取組の結果、米国向け輸出額は支援開始時と比較して約6.5倍となる年間2,200万円へ拡大した。
また、輸出総額全体でも約3.2倍の成長を実現した。
特に米国地方都市での認知度向上は大きな成果となり、その波及効果として高級日本料理店向けの鰹節やだしパックの販売拡大にもつながった。
さらに、同社は国内で数少ないEU-HACCP認証を有する鰹節メーカーとして、欧州市場への展開も進めている。
今後は、米国市場で培った販路開拓ノウハウと商品提案力を活かしながら、欧州を含む新市場への展開を加速させ、焼津の鰹節文化を世界へ発信していく方針である。

輸出戦略商品の「香味油」と改版を繰り返したパンフレット

輸出戦略商品の「香味油」と
改版を繰り返したパンフレット

米国の業務用食品展示会

米国の業務用食品展示会

米国末端(飲食店)同行営業(ボストン)

米国末端(飲食店)同行営業(ボストン)

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株式会社 新丸正

静岡県焼津市
https://s-marusyo.jp/ 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
代表取締役社長:久野 徳也
設立年:1935年3月(設立:1951年)
事業内容:水産加工業(製造販売品目:鰹節、削り節、だし粉末、ダシパック、液体だし、 佃煮、鰹節関連商品 他)の開発・製造・販売

2026年6月

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